不正調査におけるフォレンジック調査とは?仕組みと調査の流れ・活用事例を解説

フォレンジック不正調査とは、デジタル証拠をもとに企業内部で起きた不正を解明する専門的な調査です。横領や情報漏洩、マルウェアによる情報搾取など、現代企業が直面する深刻なトラブルに対し、証拠を法的に有効な形で収集・解析します。この記事では、調査の仕組み、流れ、活用事例までを初心者向けに詳しく解説します。

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不正調査におけるフォレンジック調査とは

不正調査においてフォレンジック調査は、主に以下のような目的で実施されます。

  • 不正行為の事実解明
  • 証拠データの保全と解析
  • 再発防止策の立案
  • 訴訟や社内処分のための報告書作成

つまり、単なる情報解析ではなく、企業の「信頼性」と「法的な備え」を支える調査手段といえます。

フォレンジック調査が必要になる原因

ここでは、企業や組織においてフォレンジック調査が必要とされる原因を紹介します。特に、トラブルを放置した場合の危険性に注意してください。

  • 原因1:従業員による情報の不正持ち出し
  • 原因2:社内での横領・着服など金銭トラブル
  • 原因3:外部からのサイバー攻撃

原因1:従業員による情報の不正持ち出し

退職間際の社員や一部の関係者が、顧客情報や営業秘密をUSBなどにコピーして持ち出すケースがあります。痕跡を消すために履歴の削除やログの改ざんが行われることもあります。

原因2:社内での横領・着服など金銭トラブル

経理部門や権限を持つ社員が、自社口座から不正送金を行ったり、架空経費を計上して私的流用するケースです。操作ログやメールのやり取りなどが調査対象となります。

原因3:外部からのサイバー攻撃

ランサムウェア感染や海外IPからの不正アクセスにより、業務データが暗号化されたり、情報が漏洩するリスクが高まります。ネットワークログや通信履歴の解析が重要になります。

こうした不正行為や攻撃を放置してしまうと、以下のような深刻なリスクに繋がります。

  • 企業の信用失墜と顧客離れ
  • 被害拡大による損害賠償・刑事責任
  • 証拠の消失により法的対応が困難に

情報持ち出し・横領・サイバー攻撃といった不正は、発覚が遅れるほど被害が深刻化し、証拠の消失や責任追及の難航といった二次被害を招く恐れがあります。

そのため、少しでも不審な兆候がある場合は、速やかに専門家へ相談し、証拠保全や初期対応のアドバイスを受けることが重要です。

不正調査のフォレンジック調査の主な流れと対処法

ここでは、フォレンジック調査の実施プロセスごとに、具体的な対処手順を紹介します。

  1. 初期対応と証拠保全の徹底する
  2. 証拠データの収集と抽出を行う
  3. 不正行為の解析と分析を行う
  4. 調査報告書の作成と提出を行う
  5. 専門会社への相談・依頼を行う

①初期対応と証拠保全の徹底する

不正が発覚した際は、何よりもまず証拠保全が重要です。証拠データは時間とともに消失する可能性があるため、対象デバイスを適切に保全する必要があります。

初期対応と証拠保全の手順

  1. 対象PCやスマートフォンの電源を切らず、操作を中止する
  2. 証拠保全が可能な専門機関へ連絡する
  3. 現場状況の記録(写真撮影、証言の確保など)を行う
  4. 関係者のアクセス制限を実施し、二次的な操作を防ぐ

②証拠データの収集と抽出を行う

対象となる機器から証拠となるデータを抜き出します。ファイルやログ、ネットワーク履歴などをイメージ化し、安全に保存します。

証拠データ収集の手順

  1. 対象端末のハードディスクやメモリを専用ツールでイメージ化
  2. 複製データをハッシュ化し、改ざんされていないことを証明
  3. データ保管用の外部媒体に保存し、厳重に管理

③不正行為の解析と分析を行う

ログや復元ファイル、通信履歴をもとに、誰がどのような操作を行ったかを解析します。これにより、関係者や手口の特定が可能になります。

不正解析の手順

  1. アクセスログを時系列で確認し、不審な動作を特定
  2. 削除済みファイルの復元を行い、内容を精査
  3. メールやチャット履歴から関係者のやり取りを抽出
  4. USB接続履歴や印刷履歴なども調査対象に含める

④調査報告書の作成と提出を行う

調査結果を法的に通用する形式でまとめ、必要に応じて訴訟や社内処分に活用します。調査の透明性と信頼性が求められます。

報告書作成の手順

  1. 調査の経緯・調査対象・手順を時系列で記録
  2. 証拠の要約・関係者の特定・不正の内容を記述
  3. 裁判や社内処分に対応できる形式でPDF化

⑤専門会社への相談・依頼を行う

証拠保全や調査には高度な専門知識が必要です。状況が不明瞭な場合や自力での対応に不安がある場合は、速やかにフォレンジック専門会社へ相談しましょう。

専門会社に依頼する手順

  1. 無料相談窓口に状況を伝え、初期診断を受ける
  2. 調査方針・見積もり・対応スケジュールを確認
  3. 調査対象の機器・データを専門業者へ提供
  4. 調査後、必要な対応(報告書作成、証拠提出など)を進行

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶ重要ポイント4選

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントは以下の4つです。

  • 調査実績が豊富
  • セキュリティ認証を取得している
  • 調査完了までのスピードが速い
  • 無料相談や見積りに対応している

これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。

調査実績が豊富

調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。

セキュリティ認証を取得している

セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。

具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。

こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。

調査完了までのスピードが速い

問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。

無料相談や見積りに対応している

問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。

無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。

>>【2024.11最新】フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説

編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)

サイバー攻撃社内不正といった、幅広いインシデントに対してフォレンジック調査を行っている専門会社をご紹介します。

こちらの業者は、相談件数が39,000件を超え、民間の調査会社でありながら官公庁や大手企業との取引実績も多く信頼できるため、幅広い調査に対応していておすすめです。もちろん法人だけでなく、個人のハッキングやサポート詐欺調査などの相談も受け付けています。

まずは無料で相談・見積りまで行ってくれるようなので、不安な方は一度相談してみるとよいでしょう。

デジタルデータフォレンジック

費用★見積り無料 まずはご相談ください
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サービスハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など
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デジタルデータフォレンジックは、国内トップクラスの調査力を有しており、累計3万9千件以上の豊富な実績があります。

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ハッキング調査以外にも幅広い調査に対応しているだけでなく、ケースごとに専門チームが調査対応を行っているとのことで、高品質な調査が期待できます。さらに、警察への捜査協力も行っているなど、信頼がおける専門業者です

相談・見積りを無料で行っているので、まずは電話かメールで問合せをしてみることをおすすめします。

フォレンジック調査会社を利用するときの注意点

フォレンジック調査会社を利用するときの注意点は次のとおりです。

  • 不用意に操作しない
  • 興信所や探偵は基本的に専門外
  • サポート詐欺に要注意
  • 市販の調査ソフトを使用しない

不用意に操作しない

サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。

興信所や探偵は基本的に専門外

フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。

市販の調査ソフトを使用しない

市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。

調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。

まとめ

フォレンジック不正調査は、タイミングを逃せば証拠が失われ、調査の信頼性が損なわれる恐れがあります。以下のような場合は、今すぐ専門家へご相談ください。

  • 退職者のパソコンからデータが消えていた
  • 不審な通信履歴やログが確認された
  • 顧客情報が外部に漏洩している可能性がある

デジタルデータフォレンジック

今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。

■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
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    ハッキング不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、データ改ざん調査など

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