「削除されたファイルが見つかった」「社内PCの操作履歴が消えていた」そんなとき、重要な証拠を発見する手段が「HDD解析」です。本記事では、デジタルフォレンジック調査の基本であるHDD解析について、その特徴や調査の流れ、証拠としての有効性を初心者にもわかりやすく解説します。
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デジタルフォレンジックにおけるHDD解析とは
HDD解析とは、パソコンやサーバなどのハードディスクドライブに保存されたデジタルデータを対象に、証拠保全・データ復元・アクセス履歴の調査などを行うフォレンジック調査手法です。削除済みのファイルや隠蔽されたデータも対象となり、不正アクセスや情報漏洩、社内不正などの調査に欠かせません。
デジタルフォレンジックでHDD解析が必要となる主な原因
HDD解析は、下記のような問題が発生した際に実施されることが多いです。
- 原因①:退職者による情報持ち出し
- 原因②:社内不正や改ざん行為
- 原因③:不正アクセスによる外部侵入
- 原因④:証拠隠滅の疑い
原因①:退職者による情報持ち出し
退職直前に大量のファイルが削除されたり、USB機器が接続された形跡が残っている場合、機密情報の持ち出しが疑われます。
原因②:社内不正や改ざん行為
売上データや勤怠情報などが意図的に改ざんされた可能性がある場合、改ざんの痕跡をHDDから分析します。
原因③:不正アクセスによる外部侵入
第三者が不正に社内ネットワークに侵入し、重要ファイルを閲覧・持ち出した場合、そのアクセス痕跡をHDDから洗い出します。
原因④:証拠隠滅の疑い
ブラウザ履歴やログファイルが不自然に消去されている場合、誰がいつ操作したのかを解析する必要があります。
これらを放置すれば、さらなる情報流出、取引先との信頼関係崩壊、損害賠償リスクに発展する恐れがあります。
デジタルフォレンジックにおけるHDD解析方法
HDDに関する問題に直面した場合、下記の対処法を順に実施することが効果的です。
- 完全ディスクイメージの取得を行う
- 削除ファイルの復元と分析を行う
- アクセスログ・操作履歴の分析を行う
- USBやネットワーク履歴の確認を行う
- 専門会社に調査を依頼する
①完全ディスクイメージの取得を行う
証拠保全のため、HDD全体をビット単位でコピーする「ディスクイメージの取得」が第一歩です。これにより削除済みデータも保護された状態で調査可能になります。
完全ディスクイメージを取得する手順
- 調査対象のPCを直ちにネットワークから遮断する
- 専用ツール(例:FTK Imager、dd)を使用し、HDDの全セクタをコピー
- 取得したイメージファイルのハッシュ値を記録し、原本との整合性を証明
- オリジナルHDDは保管し、以後の調査はコピーで実施する
②削除ファイルの復元と分析を行う
論理的に削除されたファイルや隠蔽されたデータは、データカービングなどの技術で復元が可能です。これにより不正の証拠が明らかになります。
削除ファイルを復元する手順
- 取得済みディスクイメージを解析ツール(例:Autopsy)に読み込む
- 「ファイルシグネチャ」をもとに削除ファイルを検索(データカービング)
- 対象ファイルを抽出・保全し、タイムスタンプやファイル内容を検証
③アクセスログ・操作履歴の分析を行う
ファイルの作成・更新日時、アクセス記録、アカウントの操作履歴などから、誰が何をしたかを詳細に分析します。
操作ログを分析する手順
- OSのイベントログやアプリの操作履歴ファイルを取得
- ログ解析ツールでログイン時間や操作コマンドを解析
- 不審なアクセスや通常と異なる操作をピックアップ
④USBやネットワーク履歴の確認を行う
外部ストレージやインターネットを経由したデータ流出の痕跡を洗い出します。USB機器の接続履歴やリモート接続履歴が手がかりになります。
USB接続・通信履歴を確認する手順
- WindowsのレジストリからUSB接続履歴(USBSTOR)を抽出
- ネットワークログやVPN接続ログを確認
- 不審なタイミングやIPアドレスから異常を特定
⑤専門会社に調査を依頼する
自力での対応が難しい場合、証拠保全と調査精度の観点から専門会社への相談が最も確実です。
専門会社に相談する手順
- 実績や技術力が明記された業者を複数比較
- 無料相談窓口で状況を説明し、初期調査を依頼
- 法的証拠に対応できる報告書の作成実績を確認
信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶ重要ポイント4選
信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントは以下の4つです。
- 調査実績が豊富
- セキュリティ認証を取得している
- 調査完了までのスピードが速い
- 無料相談や見積りに対応している
これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。
調査実績が豊富
調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。
セキュリティ認証を取得している
セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。
具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。
こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。
調査完了までのスピードが速い
問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。
無料相談や見積りに対応している
問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。
無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。
>>【2024.11最新】フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説
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フォレンジック調査会社を利用するときの注意点
フォレンジック調査会社を利用するときの注意点は次のとおりです。
- 不用意に操作しない
- 興信所や探偵は基本的に専門外
- サポート詐欺に要注意
- 市販の調査ソフトを使用しない
不用意に操作しない
サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。
興信所や探偵は基本的に専門外
フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。
市販の調査ソフトを使用しない
市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。
調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。
まとめ
HDD解析は、不正アクセスや情報漏洩、社内不正の証拠を明らかにするための重要な調査手法です。しかし、解析には専門的な知識と設備が求められ、自己判断での操作は証拠の改ざんや消失につながるリスクがあります。
もし、「ファイルが消えている」「操作履歴が不自然」「誰かが意図的に証拠を消したかもしれない」といった状況があるなら、今すぐ専門業者に相談することをおすすめします。
今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。
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