刑事事件でのデジタル鑑識の役割と活用ケースとは?スマホやPCから証拠を解析する方法を解説

現代の刑事事件では、メールやファイル、通信履歴などデジタル機器に残された情報が決定的な証拠になるケースが増えています。

本記事では、デジタル鑑識(デジタルフォレンジック)が刑事捜査でどのように使われているのか、また実際にどのような技術が使われて証拠を発見・復元しているのかを、専門家の視点でわかりやすく解説します。

さらに、実際に注目された事件でどのように証拠が復元されたのかを紹介し、あなたがもしトラブルに巻き込まれた場合、どのような調査や対応が必要なのかを考えるきっかけにしてください。

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刑事事件におけるデジタル鑑識の重要性

近年、刑事事件ではデジタル機器が証拠収集の中核を担っています。スマホやPC、サーバーから抽出されるログや通信履歴、削除されたメールやファイルなどは、被疑者の行動や共謀の証明、不正アクセスの痕跡発見に活用されます。

刑事事件におけるデジタル鑑識が活用されたケース

2006年のライブドア事件では、警察が関係者の電子機器から削除された電子メールや機密ファイルを復元し、裁判所で証拠として採用されました。被疑者が痕跡を消そうとした操作も含めて復元し、決定的な証拠として機能したことで、デジタル鑑識の実用性が広く知られるようになりました。

また、大阪地検特捜部によるパソコン改ざん事件や、森友学園の決裁文書改ざん調査などでもデジタル鑑識が利用され、社会的注目を集めました 。

デジタル鑑識で可能な解析技術とその効果

現在のデジタル鑑識では、以下のような解析が可能です。

  • 削除ファイルの復元(メール・文書・画像など)
  • 通信記録・位置情報の追跡
  • 不正アクセス・改ざんの痕跡確認
  • 使用アプリやファイルの操作履歴解析

特にスマートフォンやPCの操作ログは、行動時刻・操作内容・通信先などの詳細が記録されており、事件の前後関係や意図を推定する上で有力な材料になります。

刑事事件におけるデジタル鑑識の調査方法

法的に有効な証拠として活用するためには、「証拠改ざんが行われていない」ことを示す信頼性が不可欠です。デジタル鑑識では、取得した証拠を以下のような手順で処理します。

  1. 証拠データの保全を行う
  2. 削除データや通信記録の復元を行う
  3. デジタルログの改ざん有無を確認する
  4. 専門会社に調査を依頼する

①証拠データの保全を行う

証拠として活用するためには、元データに一切手を加えず「完全コピー(イメージ)」を取得する必要があります。この処理によって、原本を改変することなく調査を進められます。

証拠データを保全する手順

  1. 証拠媒体(スマホ、PCなど)を起動せず、物理的に確保する
  2. 専用のイメージングツールで全データをビット単位でコピーする
  3. ハッシュ値(データの真正性を示す識別子)を計算し記録する

②削除データや通信記録の復元を行う

証拠が削除されていた場合でも、適切な復元作業を行うことでデータを再取得できる可能性があります。削除ツールなどで痕跡を消したケースでも、隠された情報を検出できます。

削除データを復元する手順

  1. 取得済みのイメージファイルを解析専用マシンに読み込む
  2. 復元ツールを使って削除ファイルを検出・復元する
  3. 通信記録やアプリ履歴も併せて抽出し、時系列を整理する

③デジタルログの改ざん有無を確認する

犯人が証拠隠滅を目的としてログやファイルを改ざんするケースもあります。デジタル鑑識では、正規の操作と異なる痕跡や不自然な空白時間などを解析し、不正な操作の有無を検証します。

改ざんの有無を調査する手順

  1. 各種ログ(操作履歴・ネット接続履歴・システムイベント)を抽出
  2. イベントの時系列に基づいて不整合を検出
  3. 他ファイルとの整合性を比較して改ざん可能性を特定する

④専門会社に調査を依頼する

法的に有効な証拠として提出するには、専門会社の技術と中立的立場が重要です。自力での解析は、証拠能力を損なう危険があり、また重大な証拠を取りこぼすリスクもあります。

フォレンジック調査専門会社に相談する流れ

  1. 調査対象や目的、疑われる内容を明確にして相談する
  2. 初期診断で対応可能かを確認し、調査方針と費用を提示してもらう
  3. 正式依頼後、証拠の取得から報告書作成までを一括依頼

不正アクセス、情報漏洩、内部不正など、緊急性が高く正確性が求められる事件では、経験と技術を持つ専門会社の関与が不可欠です。証拠を安全に確保し、正しく調査するためには、まずは無料相談を活用してください。

信頼できるデジタル鑑識の調査専門会社を選ぶ重要ポイント4選

信頼できるデジタル鑑識の調査専門会社を選ぶポイントは以下の4つです。

  • 調査実績が豊富
  • セキュリティ認証を取得している
  • 調査完了までのスピードが速い
  • 無料相談や見積りに対応している

これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。

調査実績が豊富

調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。

セキュリティ認証を取得している

セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。

具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。

こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。

調査完了までのスピードが速い

問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。

無料相談や見積りに対応している

問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。

無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。

>>フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説

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デジタルデータフォレンジック

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デジタル鑑識の調査専門会社を利用するときの注意点

デジタル鑑識の調査専門会社を利用するときの注意点は次のとおりです。

  • 不用意に操作しない
  • 興信所や探偵は基本的に専門外
  • サポート詐欺に要注意
  • 市販の調査ソフトを使用しない

不用意に操作しない

サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。

興信所や探偵は基本的に専門外

フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。

市販の調査ソフトを使用しない

市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。

調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。

まとめ

スマートフォンやパソコンに残された情報は、犯罪の立証において非常に強力な証拠となり得ます。操作履歴、削除データ、通信記録の復元など、目に見えない“デジタルな足跡”を科学的に解析することで、真実を明らかにする重要な手がかりが得られます。

ただし、誤った操作や独自の調査は、証拠能力を損なったり、重要な痕跡を消してしまうリスクがあります。もし事件や不正の可能性がある場合は、速やかに専門のフォレンジック業者へ相談し、適切な保全・解析を依頼することが大切です。

相談は無料で24時間対応している業者もあります。不安を感じた時点で、早めに行動を起こすことが、被害の拡大防止と信頼回復への第一歩です。

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