民事訴訟で活用されるデジタル鑑識とは?必要になるケースや原因と調査方法について解説

「相手の不正を証明したい」「デジタルデータを裁判の証拠として提出したい」そう考えていても、実際にはどのようにデータを保全すればいいのか、改ざんされていないことをどう証明すればいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。

民事訴訟では、電子メールや文書、ログデータといった“見えない証拠”が争点になるケースが増加しています。こうしたデータは非常に扱いが難しく、一度でも不適切に操作すると、証拠能力が損なわれる恐れがあります。

この記事では、民事訴訟で必要となるデジタル鑑識の基本と、証拠を適切に保全・解析するための手順について、専門家の視点から詳しく解説します。

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民事訴訟でデジタル鑑識が必要になるケースとは

デジタル鑑識は、裁判の証拠能力を担保するために必要な専門技術です。特に民事訴訟においては、以下のようなデジタルデータが証拠として利用されるケースが増加しています。

主な対象は以下の通りです。

  • 電子メールの送受信履歴
  • 電子文書の作成・保存履歴
  • チャットやメッセージのログ
  • 画像・動画ファイルの編集履歴
  • ネットワークアクセスの記録

このようなデータは、業務上の過失・不正行為・改ざん・情報漏えいの有無を確認するために極めて重要です。特に日本においてもeDiscovery(電子情報開示)の重要性が増しつつあり、訴訟の準備段階から証拠性の高いデータ収集と検証が求められています。

デジタル証拠が必要になる主な理由

民事訴訟でデジタル鑑識が求められる背景には、さまざまな原因があります。単なる不注意から意図的な隠蔽行為まで、その性質は多岐に渡ります。

理由①:従業員による内部不正や証拠隠滅

退職者や現職社員による不正行為、または不正の証拠を隠すための履歴削除やログ改ざんが疑われる場合。

理由②:契約や取引を巡るトラブルの発生

口頭やチャットでのやり取りが証拠になる場合、デジタルデータの改ざんリスクや記録の有無が重要になります。

理由③:デジタルデータの改ざんや偽造が疑われる場合

提出書類や画像・動画などが加工・修正された痕跡があり、真正性が問われる場面。

理由④:情報漏えいや不正アクセスの発覚

社内データが社外へ漏洩した形跡がある場合、アクセスログや送信履歴が証拠となります。

こうした原因を放置すると、訴訟で不利な状況に陥るだけでなく、以下のようなリスクを招く可能性があります。

  • 企業の信用失墜
  • 損害賠償請求への発展
  • 2次被害の拡大(情報漏えいの連鎖など)

民事訴訟で求められるデジタル鑑識による調査方法

以下では、デジタル鑑識によって証拠能力を高めるために必要な具体的な調査方法を紹介します。状況に応じて、手順を確実に実行することが重要です。

  1. 証拠保全措置の実施
  2. ログや操作履歴の復元と解析
  3. デジタル証拠の真正性の確認
  4. デジタル鑑識専門会社への相談

①証拠保全措置の実施

裁判で利用するには、証拠が改ざん・破損されていないことを担保する「保全処理」が不可欠です。操作ログやタイムスタンプを含む状態で、証拠性のある形式で取得・保全します。

証拠保全措置の実施手順

  1. 対象となるパソコンやスマートフォンの電源を切り、使用を中止する
  2. デジタルフォレンジック専用ツールを使用してイメージ取得(bit単位のコピー)を行う
  3. 取得したデータにハッシュ値(MD5・SHA256など)を付与し、改ざんの有無をチェックできるようにする

②ログや操作履歴の復元と解析

削除されたログやファイル操作の履歴を復元することで、不正の痕跡や関係性を明らかにすることが可能です。

ログや操作履歴の復元と解析手順

  1. 復元ソフトやフォレンジック専用ツールを用いて削除されたログファイルを抽出
  2. タイムスタンプやユーザーアカウント情報をもとに操作の痕跡を時系列で整理
  3. 関連するファイルや通信記録と照合し、行為の全体像を把握する

③デジタル証拠の真正性の確認

提出される証拠が本物であり改ざんされていないことを示すために、データ構造の整合性や整合性証明が必要です。

デジタル証拠の真正性確認手順

  1. ファイルメタ情報(作成日時・最終更新日時など)をチェック
  2. ハッシュ値を照合し、改ざんの有無を確認
  3. データに対するアクセス・編集履歴を解析し、整合性を評価

④デジタル鑑識専門会社への相談

自社で対応するには限界があるため、法的証拠に対応できる調査ノウハウを持つ専門業者に依頼するのが最も確実です。

専門会社への相談手順

  1. 調査対象となる機器やファイルを整理し、現状の課題を明確にする
  2. デジタル鑑識専門会社に初期相談(無料)を申し込む
  3. 調査方針や見積りをもとに、法的に有効な証拠保全・報告書作成を依頼する

信頼できるデジタル鑑識の調査専門会社を選ぶ重要ポイント4選

信頼できるデジタル鑑識の調査専門会社を選ぶポイントは以下の4つです。

  • 調査実績が豊富
  • セキュリティ認証を取得している
  • 調査完了までのスピードが速い
  • 無料相談や見積りに対応している

これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。

調査実績が豊富

調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。

セキュリティ認証を取得している

セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。

具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。

こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。

調査完了までのスピードが速い

問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。

無料相談や見積りに対応している

問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。

無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。

>>フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説

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デジタルデータフォレンジック

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デジタル鑑識の調査専門会社を利用するときの注意点

デジタル鑑識の調査専門会社を利用するときの注意点は次のとおりです。

  • 不用意に操作しない
  • 興信所や探偵は基本的に専門外
  • サポート詐欺に要注意
  • 市販の調査ソフトを使用しない

不用意に操作しない

サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。

興信所や探偵は基本的に専門外

フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。

市販の調査ソフトを使用しない

市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。

調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。

まとめ

民事訴訟においては、デジタルデータの改ざんや隠蔽が少しでも疑われれば、その証拠価値は大きく損なわれてしまいます。

正しい保全処理と調査手順を踏むことで、あなたの主張を裏付ける強力な証拠として裁判所に提出することが可能になります。少しでも不正や情報漏えいの兆候がある場合は、早めに専門業者への相談を検討してください。」

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