リモートワークが広がる中、従業員による情報漏洩や不正行為のリスクが増加しています。本記事では、在宅勤務中のPCに対してデジタルフォレンジック調査を実施する方法や、適切な対応策を専門的観点から解説します。
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デジタルフォレンジックによる在宅勤務のPC調査が必要となる原因
自宅で業務用PCを使用する環境では、社内とは異なるネットワーク環境や物理的管理の不在により、さまざまなセキュリティリスクが発生しやすくなります。以下のような要因が、フォレンジック調査の必要性を引き起こします。
- 原因①:外部媒体を使った情報持ち出し
- 原因②:クラウドサービスへの無断アップロード
- 原因③:不正アクセスや乗っ取り被害
- 原因④:意図的な証拠隠滅やログ削除
原因①:外部媒体を使った情報持ち出し
USBメモリや外付けHDDを利用し、機密ファイルを社外に持ち出す事例は少なくありません。履歴を削除された場合でも、痕跡が残っているケースがあります。
原因②:クラウドサービスへの無断アップロード
Google DriveやDropboxなど、個人アカウントを使って業務データを外部に転送する行為は、情報漏洩リスクの一因です。操作履歴の解析で把握が可能です。
原因③:不正アクセスや乗っ取り被害
自宅ネットワークのセキュリティが脆弱な場合、第三者による侵入を許すことがあります。PCの通信ログや不審なアカウントの痕跡を追跡することが重要です。
原因④:意図的な証拠隠滅やログ削除
従業員による不正行為を隠すために、閲覧履歴やUSB接続ログなどが意図的に削除されるケースもあります。専用ツールによる復旧が必要です。
このような状況を放置すると、企業の信用失墜や法的リスクの拡大、再発による被害の拡大といった深刻な事態につながりかねません。
次に、このようなリスクを防ぐための具体的な対処法を解説します。
デジタルフォレンジックを活用した在宅勤務のPC調査の具体的な方法
ここでは、フォレンジック調査を活用した在宅勤務PCに対する具体的な調査方法を紹介します。各ステップには詳細な手順を記載しており、自力では難しい作業も多く含まれるため、必要に応じて専門業者への相談をおすすめします。
- 証拠保全とディスクイメージの取得を行う
- USB接続履歴の確認とログ取得を行う
- クラウドサービスの使用履歴を確認する
- ネットワーク通信ログの解析を行う
- 削除ファイルの復元と改ざん検出を行う
- 専門会社に調査を依頼する
①証拠保全とディスクイメージの取得を行う
フォレンジック調査の第一歩は、証拠となるデータを改変せずに保全することです。これにより、調査中のデータ改ざんを防ぎ、法的証拠能力も保持できます。
ディスクイメージ取得の手順
- 対象PCの電源を切り、USB接続などで別媒体に接続する
- 専用ソフト(例:FTK Imager)を用いてディスク全体のイメージを取得
- 取得したイメージに対しハッシュ値(MD5/SHA-1)を算出し、完全性を検証
②USB接続履歴の確認とログ取得を行う
情報持ち出しの証拠となり得るUSB機器の接続履歴を確認します。接続時間やデバイスIDなどの情報は、ログから復元できます。
USB履歴調査の手順
- レジストリエディタを開き「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\USB」を確認
- 各デバイスのIDや接続日時を一覧表示し記録
- ツール(USBDeviewなど)を使えば一覧取得も可能
③クラウドサービスの使用履歴を確認する
Google DriveやDropboxなどのアクセス履歴を確認し、業務外のファイルアップロードの有無を調査します。
クラウド利用ログ確認の手順
- 該当サービスにログインし、アクティビティ履歴ページへアクセス
- アップロード日時やファイル名、アップロード元IPを確認
- 必要に応じてログをエクスポートし、保存
④ネットワーク通信ログの解析を行う
PCが外部と通信した履歴を確認することで、不審なアクセスやマルウェア通信の有無を明らかにできます。
ネットワークログ解析の手順
- Wiresharkなどのツールを用いてパケットキャプチャを取得
- 特定のIPアドレスやポート通信を抽出
- 不審な通信内容をログとして保存・分析
⑤削除ファイルの復元と改ざん検出を行う
意図的に削除されたファイルや、内容が改ざんされた文書を復元・比較することで、証拠を得ることが可能です。
削除データの復元手順
- AutopsyやRecuvaなどのツールを使用して削除ファイルをスキャン
- 復元可能なファイルを一覧から選択して復元
- 改ざんを疑う場合は、同一ファイルのバックアップと比較
⑥専門会社に調査を依頼する
証拠保全から高度な解析、報告書作成までを一貫して対応するには、専門知識と設備が必要です。初期対応を誤ると、証拠能力が失われるリスクがあります。
専門会社に依頼する手順
- フォレンジック専門業者の無料相談窓口に問い合わせ
- 状況をヒアリングし、調査プラン・見積りを取得
- 契約後、証拠保全→解析→報告書提出まで一括対応
少しでも不安を感じた場合は、専門家による調査を受けることが、トラブルの早期解決と再発防止につながります。
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶ重要ポイント4選
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶポイントは以下の4つです。
- 調査実績が豊富
- セキュリティ認証を取得している
- 調査完了までのスピードが速い
- 無料相談や見積りに対応している
これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。
調査実績が豊富
調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。
セキュリティ認証を取得している
セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。
具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。
こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。
調査完了までのスピードが速い
問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。
無料相談や見積りに対応している
問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。
無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。
>>【2024.11最新】フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説
編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)
サイバー攻撃や社内不正といった、幅広いインシデントに対してデジタル鑑識を行っている専門会社をご紹介します。
こちらの業者は、相談件数が39,000件を超え、民間の調査会社でありながら官公庁や大手企業との取引実績も多く信頼できるため、幅広い調査に対応していておすすめです。もちろん法人だけでなく、個人のハッキングやサポート詐欺調査などの相談も受け付けています。
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調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
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デジタルデータフォレンジックは、国内トップクラスの調査力を有しており、累計3万9千件以上の豊富な実績があります。
規模が大きな調査会社でありながら、個人端末のハッキング調査、不正アクセス調査などの実績もあるようですし、24時間365日の相談体制、ニーズに合わせたプランのカスタマイズなど、サービスの利用しやすさも嬉しいポイントです。
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デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点
デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点は次のとおりです。
- 不用意に操作しない
- 興信所や探偵は基本的に専門外
- サポート詐欺に要注意
- 市販の調査ソフトを使用しない
不用意に操作しない
サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。
興信所や探偵は基本的に専門外
フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。
市販の調査ソフトを使用しない
市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。
調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。
まとめ
自宅での業務端末利用は利便性が高い一方、証拠改ざんや不正アクセス、情報流出といったリスクと隣り合わせです。特に証拠保全やデータ解析は、専門知識と技術を要する分野であり、誤った対応は法的証拠としての価値を失うことにもつながります。
調査においては、客観性を保ちつつ、迅速かつ正確な対応が重要です。自社内での対応が困難な場合は、迷わずフォレンジック専門業者への相談を検討してください。初期対応の早さが、企業の信頼と被害最小化の鍵になります。
「少しでも不安を感じた」「削除されたログの復元が必要」「外部への情報漏洩が疑われる」そんなときは、まずはお気軽にフォレンジック専門業者へご相談しましょう。
今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。
■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
■法人/個人問わず幅広く対応
■ 国際標準規格「ISO27001」取得
■ 14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス
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ハッキング不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、データ改ざん調査など