ある日突然、サーバの挙動がおかしい、得体の知れないファイルが見つかった、そんなときどうすればよいのでしょうか。インシデント発生時、最初の対応がその後の被害拡大防止と真相究明の鍵を握ります。
本記事では、フォレンジックの専門的観点から、初動で取るべき具体的な対応と正しい証拠保全の流れを分かりやすく解説します。
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フォレンジック調査時に必要な初動対応マニュアル
サイバー攻撃や内部不正が発覚した際、早急な初動対応が被害の最小化に直結します。ここでは、実務に基づいた6つの基本ステップを紹介します。
- インシデントの検知と社内通報
- 初期調査と状況把握
- 被害拡大の抑止
- 証拠データの保全
- フォレンジック専門家への相談
- 経営層・関係機関への報告
①インシデントの検知と社内通報
最初に気づいた段階で迅速に関係部署へ連携することが重要です。異常なファイルや不審な通信を確認したら、IT部門や情報セキュリティ担当者に報告を行い、対応体制を整えます。
社内通報の具体的手順
- 不審な挙動・ファイル・ログを発見したら即時記録する
- 直属の上司または情報セキュリティ担当者へ口頭・メールで報告
- 対象機器や状況を簡潔に伝え、対応の指示を仰ぐ
②初期調査と状況把握
誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どうしたか(5W1H)をベースに、事実を客観的に整理します。ヒアリングと記録が非常に重要です。
状況把握の進め方
- 関係者から発生日時や気づいた経緯をヒアリング
- 関係する機器・ファイル・通信記録などを確認
- 状況を5W1Hで整理してメモに記録
③被害拡大の抑止
侵害の拡大を防ぐため、ネットワークからの隔離など迅速に対応する必要があります。ただし、証拠保持の観点から電源は絶対に切らないことが原則です。
拡大防止の基本措置
- 対象機器のLANケーブルを抜く、Wi-Fiを切るなどして物理的にネットワークから隔離
- 誤ってシャットダウン・再起動しないよう注意喚起
- 電源は入れたまま、現状を維持する
④証拠データの保全
フォレンジック調査において最も重要なステップです。操作ログやファイル履歴などのデジタル証拠を適切に保全するため、専用ツールを使ってビット単位でのコピー(イメージ取得)を行います。
証拠保全の正しい方法
- Write Blockerを接続して記録媒体を読み取り専用に
- 専用ツールでイメージ取得(dd, FTK Imager等)を実施
- 取得ファイルのハッシュ値(SHA256など)を計算して記録
- 作業日時・担当者・取得内容を備忘録として残す
⑤フォレンジック専門家への相談
社内だけでの対応が難しい場合、被害の全容把握や法的証拠の確保には専門業者への依頼が不可欠です。
相談の流れ
- 初期情報(取得ログ、対象端末、発生日時など)を整理
- 実績あるフォレンジック専門業者へ連絡
- 初期相談を経て調査内容と見積りを受ける
⑥経営層・関係機関への報告
被害の範囲と影響を評価し、必要に応じて経営層・警察・所轄官庁へ報告を行います。報告のタイミングや内容は慎重に調整します。
報告の要点
- 事実に基づいた被害状況の要約を作成
- 経営層に報告の上、必要なら法的機関へ連絡
- 報告書には時系列・証拠保全内容・対応履歴を明記
フォレンジック調査時の初動対応を誤ると起こりうるリスク
誤った操作や対応の遅れは深刻な二次被害や証拠の消失につながります。以下のような事態を防ぐため、マニュアルに沿った冷静な初動対応が求められます。
・証拠ログの上書きや消失による原因特定の困難化
・ネットワーク遮断の遅れによる被害の拡大
・電源オフ操作による一時ファイルの損失や暗号化ファイルの復元不能
・社内での誤解や混乱が生じ、信頼低下や法的トラブルに発展
初動対応で迷ったら、まずは専門会社への相談をおすすめします
不正アクセスや情報漏洩の初期段階では、どの操作が証拠の破壊につながるかを判断するのは困難です。誤った対応は調査の妨げになるだけでなく、訴訟リスクや損害拡大にも直結します。
中にはログの取得から証拠保全、被害範囲の特定、調査報告書の作成まで一貫して対応可能です。加えて初期相談とお見積もりも無料の会社もあるので、まずはお気軽にご相談することをおすすめします。
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶ重要ポイント4選
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶポイントは以下の4つです。
- 調査実績が豊富
- セキュリティ認証を取得している
- 調査完了までのスピードが速い
- 無料相談や見積りに対応している
これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。
調査実績が豊富
調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。
セキュリティ認証を取得している
セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。
具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。
こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。
調査完了までのスピードが速い
問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。
無料相談や見積りに対応している
問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。
無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。
編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)
サイバー攻撃や社内不正といった、幅広いインシデントに対してデジタル鑑識を行っている専門会社をご紹介します。
こちらの業者は、相談件数が39,000件を超え、民間の調査会社でありながら官公庁や大手企業との取引実績も多く信頼できるため、幅広い調査に対応していておすすめです。もちろん法人だけでなく、個人のハッキングやサポート詐欺調査などの相談も受け付けています。
まずは無料で相談・見積りまで行ってくれるようなので、不安な方は一度相談してみるとよいでしょう。

費用 | ★見積り無料 まずはご相談ください |
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調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
サービス | ハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など |
特長 | ✓累積ご相談件数39,451件以上 ✓国際基準をクリアした厳重なセキュリティ体制(ISO認証、プライバシーマーク取得済) ✓警視庁からの捜査協力依頼・感謝状受領の実績多数 |
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ハッキング調査以外にも幅広い調査に対応しているだけでなく、ケースごとに専門チームが調査対応を行っているとのことで、高品質な調査が期待できます。さらに、警察への捜査協力も行っているなど、信頼がおける専門業者です
相談・見積りを無料で行っているので、まずは電話かメールで問合せをしてみることをおすすめします。
デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点
デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点は次のとおりです。
- 不用意に操作しない
- 興信所や探偵は基本的に専門外
- サポート詐欺に要注意
- 市販の調査ソフトを使用しない
不用意に操作しない
サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。
興信所や探偵は基本的に専門外
フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。
市販の調査ソフトを使用しない
市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。
調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。
まとめ
本記事では、フォレンジック初動対応の基本ステップから、各工程における注意点、リスク、そして専門会社への相談の必要性までを詳細に解説しました。以下が要点のまとめです。
- インシデントの検知後は速やかに社内通報し、初期調査で状況を正確に把握
- ネットワーク遮断や証拠保全は慎重かつ迅速に実施。電源オフは厳禁
- ビット単位のイメージ取得やハッシュ計算など、正しい証拠保全が鍵
- 専門業者の支援を受けることで、調査の精度と法的信頼性が飛躍的に向上
初動対応を誤ると、証拠が失われるだけでなく、被害拡大や法的責任に発展する可能性もあります。不安を感じたら、迷わず専門家へ相談することが最善の選択肢です。
今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。
■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
■法人/個人問わず幅広く対応
■ 国際標準規格「ISO27001」取得
■ 14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス
- サービス
ハッキング不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、データ改ざん調査など