フォレンジック調査では、取得したデジタル証拠が「法的に通用するかどうか」が最も重要なポイントになります。
本記事では、証拠性の意味と重要性、そして証拠性を確保するための具体的な手順を解説します。
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フォレンジック調査における証拠性とは
フォレンジック調査における証拠性とは、証拠となるデータが改ざんされていないと証明することです。以下の3要素が備わっていなければ、証拠としての効力が否定される可能性があります。
- 証拠の完全性:改ざんされていないこと
- 証拠の同一性:原本と一致していること
- 取得手続の信頼性:取得・保管手順が明確
証拠の完全性:改ざんされていないこと
調査対象となるPCやスマートフォンから取得したデータが、第三者によって改ざんされていないことが必要です。例えば、証拠取得後に内容が一部書き換えられていた場合、その証拠は無効とされる可能性があります。
証拠の同一性:原本と一致していること
複製されたデータと元データが「完全に一致している」ことを、ハッシュ値などで客観的に証明する必要があります。MD5やSHA-256といったアルゴリズムを使用して算出されるハッシュ値により、取得後のデータ改変を否定できます。
取得手続の信頼性:取得・保管手順が明確
どのようなツールを使い、いつ誰がどこで証拠を取得し、どのように管理したのか。証拠取得から保管までの流れが再現できるよう、詳細な記録を残す必要があります。この一貫した手続きの記録がなければ、改ざんやミスを疑われる恐れがあります。
フォレンジック調査結果の証拠性を確保するために必要な対処法
デジタル証拠の法的有効性を高めるためには、すべての手順において改ざんを防ぎ、記録を残すことが求められます。以下に、証拠性を担保するための対処法を詳しく解説します。
- 専用ツールで対象データを完全複製する
- ハッシュ値を取得して同一性を証明する
- 取得・解析の手順や関与者を記録する
- チェーン・オブ・カストディを記録する
- フォレンジック専門会社に相談する
①専用ツールで対象データを完全複製する
証拠の完全性を担保するためには、元データを一切変更せずに複製を取得する必要があります。Write Blockerと呼ばれる装置を使用し、読み取り専用でイメージを作成するのが標準的手順です。
Write Blockerを用いたデータ複製の手順
- 対象PCや媒体を電源オフ状態で取り外す
- Write Blocker経由で専用機材に接続する
- ディスクイメージ作成ソフト(例:FTK Imager)で完全な複製を取得
- 取得後は媒体を封印し、記録表を添付
②ハッシュ値を取得して同一性を証明する
取得時と解析時でデータが一致していることを証明するため、ハッシュ関数(MD5やSHA-256など)を用いて「デジタル指紋」を記録します。これが証拠の同一性を裏付ける鍵となります。
ハッシュ値による同一性の確認手順
- 取得したディスクイメージに対してハッシュ値を計算
- 原本(取得元)のハッシュ値も同様に取得
- 両者が一致することを確認・記録
- ハッシュ計算日時・使用ソフト・担当者名を記録
③取得・解析の手順や関与者を記録する
証拠が正しく扱われたことを第三者が検証できるよう、作業の全過程を文書・写真・動画で記録します。これにより、証拠の取得・保全手続きの信頼性を担保できます。
取得記録の残し方
- 作業前に対象機器・状況を撮影・記録
- 取得中の作業風景を動画・メモ・操作ログで残す
- 使用ツール、日時、担当者名などを備忘録としてまとめる
- 証拠保全報告書として文書化
④チェーン・オブ・カストディを記録する
証拠媒体が外部の影響を受けていないことを示すため、「誰が、いつ、どのように扱ったか」を明確にする管理台帳(チェーン・オブ・カストディ)を整備します。これにより法廷提出時の信頼性を確保できます。
チェーン・オブ・カストディ管理手順
- 取得した証拠媒体を封印し、改ざん防止措置を実施
- 管理台帳に「日時・担当者・受渡内容」を記録
- 保管場所の出入り記録も台帳化
- 第三者によるレビュー可能な形式で保管
⑤フォレンジック専門会社に相談する
自社対応が難しい場合や、証拠の扱いに不安がある場合は、専門業者への相談が最も確実です。調査実績やツール環境が整った業者であれば、証拠能力の高い解析結果を得られます。
専門会社への相談手順
- 状況・対象媒体・希望調査内容を整理
- フォレンジック対応可能な専門業者を調査
- 無料相談や初期診断を活用し、調査方針を確認
- 見積書・提案書の内容と信頼性を比較検討
証拠性を適切に確保することは、裁判・社内調査を有利に進めるために不可欠です。操作に不安がある場合は、早期に専門家へ相談し、証拠保全の第一歩を踏み出すことが肝要です。
相談は無料・24時間対応の窓口を利用することで、初期対応のスピードと正確性が大きく向上します。被害を最小限に食い止めるためにも、迷わず専門家にご相談ください。
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶ重要ポイント4選
信頼できるデジタルフォレンジックの調査専門会社を選ぶポイントは以下の4つです。
- 調査実績が豊富
- セキュリティ認証を取得している
- 調査完了までのスピードが速い
- 無料相談や見積りに対応している
これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。
調査実績が豊富
調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。
セキュリティ認証を取得している
セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。
具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。
こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。
調査完了までのスピードが速い
問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。
無料相談や見積りに対応している
問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。
無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。
編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)
サイバー攻撃や社内不正といった、幅広いインシデントに対してデジタル鑑識を行っている専門会社をご紹介します。
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調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
サービス | ハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など |
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デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点
デジタルフォレンジックの調査専門会社を利用するときの注意点は次のとおりです。
- 不用意に操作しない
- 興信所や探偵は基本的に専門外
- サポート詐欺に要注意
- 市販の調査ソフトを使用しない
不用意に操作しない
サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。
興信所や探偵は基本的に専門外
フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。
市販の調査ソフトを使用しない
市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。
調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。
まとめ
証拠性を適切に確保することは、裁判・社内調査を有利に進めるために不可欠です。単なるコピーや曖昧な記録では、法的証拠としての力を失うリスクがあります。証拠の完全性と同一性、さらに取得・保管の手続きが明確であることが求められます。
特に内部不正や不正アクセスが疑われる場面では、証拠の取扱い一つで調査の行方が変わる可能性もあります。操作に不安がある場合は、早期に専門家へ相談し、証拠保全の第一歩を踏み出すことが肝要です。
相談は無料・24時間対応の窓口を利用することで、初期対応のスピードと正確性が大きく向上します。被害を最小限に食い止めるためにも、迷わず専門家にご相談ください。
今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。
■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
■法人/個人問わず幅広く対応
■ 国際標準規格「ISO27001」取得
■ 14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス
- サービス
ハッキング不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、データ改ざん調査など