スマホ乗っ取りは警察に相談できる?相談窓口・必要な証拠・被害届までの流れ

スマホが第三者に乗っ取られた疑いがあるものの、「警察に相談してよいのか」「どこの警察へ連絡すればよいのか」と迷う方もいるでしょう。

スマホやアカウントへの不正アクセスによって、金銭被害、SNSのなりすまし、不審なメッセージの送信などが発生している場合は、警察への相談を検討してください。

警察庁も、不正アクセスの被害に遭った場合は、ログイン履歴などの証拠を保存したうえで、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口へ通報・相談するよう案内しています。

本記事では、スマホ乗っ取りで警察へ相談すべきケース、利用できる相談窓口、相談前に保存しておきたい証拠について解説します。

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目次

スマホ乗っ取りで警察に相談すべきケース

「スマホの調子が悪い」というだけでは、第三者による乗っ取りなのか、端末の故障や設定上の問題なのか判断できません。

一方、第三者がアカウントへ不正にログインした記録や、金銭・なりすましなどの具体的な被害が確認できる場合は、警察への相談を検討すべき状況です。

特に、次のようなケースでは早めに相談してください。

  • 銀行口座や決済サービスから不正送金された
  • クレジットカードを不正利用された
  • SNSやメールを第三者に操作された
  • 自分になりすましてメッセージを送信された
  • ログイン情報や個人情報を悪用された
  • 脅迫やストーカー行為にスマホが利用されている
  • SIMを不正に再発行された疑いがある
  • 勤務先や取引先の情報が流出した可能性がある

単に「スマホが熱い」「電池の減りが早い」といった症状だけでは、乗っ取り被害と断定できません。

乗っ取られているか確認したい段階では、以下の関連記事を参照してください。

>>関連記事:スマホがハッキングされたか調べる方法

金銭被害や不正送金が発生している

スマホ乗っ取りによって銀行口座や決済サービスを不正利用された場合は、警察だけでなく、銀行、カード会社、決済サービスにも直ちに連絡してください。

金融機関への連絡が遅れると、さらに不正利用される可能性があります。

以下の情報を保存したうえで、各機関へ連絡しましょう。

  • 不正利用された日時
  • 利用金額
  • 送金先や決済先
  • 取引履歴のスクリーンショット
  • 銀行やカード会社から届いた通知
  • 身に覚えのないログイン履歴

被害が進行中であり、生命や身体に危険が迫っているなど緊急性が高い場合は、110番へ通報してください。緊急ではない警察相談には、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。

SNSやメールを乗っ取られてなりすまし被害が出ている

LINE、Instagram、X、Facebook、Gmailなどを第三者に操作され、なりすまし投稿や詐欺メッセージを送信されている場合も、警察への相談を検討してください。

特に、知人に金銭を要求するメッセージが送信されている場合や、不審なURLが拡散されている場合は、二次被害が発生するおそれがあります。

次の情報を削除せずに保存しましょう。

  • なりすまし投稿やメッセージ
  • 相手から届いた返信
  • 投稿日時や送信日時
  • 投稿やプロフィール画面のURL
  • ログイン通知
  • ログイン履歴に表示された端末や地域
  • パスワードや登録情報の変更通知

可能であれば、被害を受けた画面だけでなく、日時やアカウント名が分かる状態でスクリーンショットを撮ってください。

SIMスワップが疑われる

突然スマホが圏外になり、SMS認証コードを受信できなくなった後に、銀行やSNSへの不正ログインが発生している場合は、SIMスワップの可能性も考えられます。

この場合は、警察への相談と並行して、契約している携帯会社へ連絡してください。

携帯会社には、次の点を確認します。

  • SIMカードやeSIMが再発行されていないか
  • 契約者情報が変更されていないか
  • 身に覚えのない手続きが行われていないか
  • 回線の一時停止が必要か
  • 新しいSIMへの交換が必要か

不正送金などが発生している場合は、銀行や決済サービスにも連絡が必要です。

スマホ乗っ取りは警察のどこに相談する?

スマホ乗っ取りについて警察へ相談する方法は、主に次の4つです。

状況主な相談方法
被害が現在進行中で緊急性が高い110番
緊急ではないが警察に相談したい警察相談専用電話「#9110」
証拠を持参して直接相談したい最寄りの警察署
不正アクセスについて相談したい都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口またはオンライン窓口

緊急性が高い場合は110番

110番は、事件や事故など緊急の対応が必要な場合に利用します。

たとえば、スマホの乗っ取りに関連して、次のような被害が現在進行中の場合です。

  • 犯人から脅迫されている
  • ストーカー行為を受けている
  • 居場所を監視されている可能性がある
  • 家族や知人に危険が及ぶおそれがある
  • 不正送金や詐欺行為が進行している

単に「乗っ取られているか確認したい」という技術的な相談は、110番ではなく、#9110やサイバー犯罪相談窓口などを利用してください。

緊急でない相談は「#9110」

緊急性はないものの、警察へ相談すべきか判断できない場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用できます。

#9110へ電話すると、発信地を管轄する都道府県警察本部などの相談窓口につながります。携帯電話からも利用できますが、一部のIP電話などではつながらない場合があります。受付体制や対応時間は地域によって異なるため、管轄する都道府県警察の案内も確認してください。

電話では、次の内容を簡潔に説明しましょう。

  • いつ異変に気づいたか
  • どのアカウントが被害を受けたか
  • どのような被害が発生したか
  • 金銭被害があるか
  • 不審なログイン履歴が残っているか
  • すでに携帯会社や銀行へ連絡したか

最寄りの警察署へ相談する

具体的な被害が発生しており、証拠を持参して相談したい場合は、最寄りの警察署へ連絡します。

警察庁は、不正アクセス被害について、保存したログイン履歴などを持参して最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口へ相談するよう案内しています。

また、事前に電話で担当者と相談日時や持参資料を調整すると、対応が円滑に進みやすいとされています。

警察署へ行く前に電話し、次の点を確認してください。

  • 相談を受け付けてもらえる部署
  • 訪問する日時
  • 持参する資料
  • スマホ本体を持参すべきか
  • 被害届の提出について相談できるか

サイバー犯罪相談窓口へ相談する

各都道府県警察には、サイバー犯罪や不正アクセスに関する相談窓口があります。

警察庁のWebサイトには、都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口と警察署の一覧が掲載されています。

スマホ乗っ取りに関連して、次のような被害がある場合に利用を検討してください。

  • アカウントへの不正ログイン
  • フィッシングによる認証情報の流出
  • SNSの乗っ取り
  • なりすまし
  • 不正送金
  • 個人情報の不正取得
  • 不審な遠隔操作
  • 企業や組織への不正アクセス

警察庁のオンライン窓口から相談する

警察庁は、サイバー事案について全国共通のオンライン受付窓口を設置しています。

オンライン窓口では、内容に応じて次の手続きが可能です。

  • 通報:具体的な被害事実を警察へ知らせる
  • 相談:対応方法などについて警察へ助言を求める
  • 情報提供:サイバー事案に関する情報を警察へ提供する

送信した内容は、選択した都道府県警察本部または警察署へ通知されます。資料ファイルの添付も可能です。

ただし、緊急の対応が必要な場合はオンライン窓口ではなく、110番を利用してください。

警察へ相談する前に保存しておきたい証拠

スマホ乗っ取りについて警察へ相談する場合は、「乗っ取られた気がする」と伝えるだけでなく、発生した事実を確認できる資料を準備することが重要です。

警察庁も、不正アクセス被害ではログイン履歴を保存・印字し、サービス提供会社とのメールなどのやり取りを記録するよう案内しています。

不審なログイン履歴

Google、Apple、LINE、SNSなどで、見覚えのない端末や地域からのログインが確認された場合は、その画面を保存します。

保存しておきたい項目は次の通りです。

  • ログイン日時
  • 端末名
  • IPアドレス
  • ログインした地域
  • 使用されたブラウザやOS
  • 現在ログイン中の端末一覧

履歴を削除したり、該当端末をログアウトさせたりする前に、スクリーンショットを撮ってください。

ただし、被害が拡大している場合は、証拠保存だけに時間をかけず、アカウント保護も並行して行う必要があります。

パスワードや登録情報の変更通知

自分で操作していないにもかかわらず、次のような通知が届いた場合は保存してください。

  • パスワード変更通知
  • 登録メールアドレスの変更通知
  • 電話番号の変更通知
  • 二段階認証の変更通知
  • 新しい端末からのログイン通知
  • アカウント復旧に関する通知

通知メールは削除せず、メールの送受信日時や送信元が確認できる状態で保存します。

不正送金や決済の記録

金銭被害がある場合は、取引画面や利用明細を保存します。

  • 送金日時
  • 送金額
  • 送金先
  • 決済サービス名
  • 注文番号や取引番号
  • 銀行やカード会社とのやり取り
  • 利用停止や補償申請の受付番号

不正利用を確認したら、警察への相談より先に金融機関へ連絡し、口座やカードの利用停止が必要か確認してください。

なりすまし投稿やメッセージ

SNSやメールを乗っ取られた場合は、第三者が行った操作を記録します。

  • なりすまし投稿
  • 詐欺メッセージ
  • 金銭を要求するメッセージ
  • 不審なURL
  • 投稿や送信の日時
  • 被害を受けた知人とのやり取り
  • アカウント名やプロフィールの変更履歴

投稿を削除する必要がある場合も、先に画面やURLを保存してください。

被害の経緯をまとめた時系列

警察へ状況を説明しやすくするため、被害の経緯を時系列で整理します。

次のような形式でまとめると分かりやすくなります。

日時発生したこと行った対応
8月1日午前9時身に覚えのないログイン通知が届いたログイン履歴を保存
8月1日午前10時SNSから強制ログアウトされた運営会社へ連絡
8月1日正午知人へ詐欺メッセージが送信された知人へ注意喚起
8月1日午後2時銀行口座から不正送金を確認銀行へ利用停止を依頼

日時が正確に分からない場合は、おおよその時間でも構いません。

警察へ相談する前にスマホを初期化してよい?

スマホの乗っ取りが疑われる場合でも、すぐに初期化するのは避けた方がよいケースがあります。

初期化すると、端末内に残っていた不審なアプリ、設定、通信記録などを確認できなくなる可能性があるためです。

特に、次のケースでは初期化前に警察や専門会社へ相談してください。

  • 金銭被害が発生している
  • 犯罪に利用された可能性がある
  • なりすましや脅迫被害がある
  • 法人端末や業務情報が関係している
  • 情報漏洩の範囲を確認したい
  • 端末内の記録を証拠として残したい

一方、被害拡大を防ぐためにアカウントのパスワード変更や回線停止が必要になる場合もあります。

パスワードを変更するときは、可能であれば乗っ取りが疑われるスマホではなく、安全が確認できている別の端末を使用してください。

具体的な初動対応については、以下の記事で解説しています。

>>関連記事:スマホがハッキングされたら行う対処法

警察へ相談してから被害届を検討するまでの流れ

スマホ乗っ取りについて警察へ相談する場合は、次の流れで進めます。

1.被害状況と証拠を整理する

不審なログイン履歴、金銭被害、なりすまし投稿などを保存し、発生した経緯を時系列でまとめます。

被害を推測だけで説明するのではなく、確認できている事実と、まだ確認できていない疑いを分けて整理してください。

2.警察署や相談窓口へ事前に連絡する

最寄りの警察署、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口、#9110などへ連絡します。

直接警察署へ行く場合は、事前に相談内容を伝え、担当部署や持参資料を確認しましょう。

3.証拠や本人確認書類を持参する

警察から指定された資料に加え、次のものを準備します。

  • 本人確認書類
  • 被害を受けたスマホ
  • ログイン履歴のスクリーンショット
  • 不正利用の明細
  • サービス運営会社とのやり取り
  • 被害経緯をまとめたメモ
  • 契約者本人であることが分かる資料
  • 調査会社の報告書を取得している場合はその資料

スマホ本体を持参すべきか、事前に警察へ確認してください。

4.確認できている事実を説明する

相談時には、次の内容を説明します。

  • いつ被害に気づいたか
  • どのサービスが乗っ取られたか
  • どのような操作をされたか
  • 金銭的な損害があるか
  • 加害者に心当たりがあるか
  • 現在も被害が続いているか
  • 携帯会社やサービス運営会社へ連絡したか

警察へ相談した後の対応は、被害内容や証拠などをもとに判断されます。

相談しただけで、必ず捜査や端末解析が行われるとは限りません。被害届の提出を希望する場合は、その旨を担当者へ伝え、必要な資料や手続きについて確認してください。

警察以外にも連絡した方がよい相談先

スマホ乗っ取りでは、警察への相談だけで被害拡大を防げるとは限りません。

被害の種類に応じて、携帯会社、金融機関、サービス運営会社などにも連絡する必要があります。

被害状況主な連絡先
SIMが使えない、圏外が続く携帯会社
銀行口座から不正送金された銀行と警察
カードを不正利用されたカード会社と警察
SNSやメールを乗っ取られたサービス運営会社と警察
ウイルスや不審なアプリについて技術的に相談したいIPA
端末内の痕跡や情報漏洩の範囲を調べたいフォレンジック調査会社

携帯会社

SIMの不正再発行や回線の乗っ取りが疑われる場合は、契約している携帯会社へ連絡します。

回線停止、SIMの再発行履歴、契約情報の変更などを確認してください。

銀行やカード会社

金銭被害がある場合は、警察への相談を待たずに金融機関へ連絡します。

口座やカードの利用停止、不正利用の調査、補償申請などについて確認してください。

SNSやメールなどのサービス運営会社

アカウントへログインできない場合は、サービス運営会社のアカウント復旧手続きを利用します。

警察庁も、不正アクセスによってパスワードを変更され、ログインできなくなった場合は、サービス提供会社へ連絡するよう案内しています。

IPAの情報セキュリティ安心相談窓口

ウイルス感染、不審なアプリ、不正アクセスなどについて、一般的な技術的アドバイスを受けたい場合は、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口を利用できます。

IPAは、一般利用者向けに、主にウイルスや不正アクセスに関する技術的な相談を受け付けています。警察への被害申告とは役割が異なるため、犯罪被害が発生している場合は警察にも相談してください。

被害範囲や証拠を確認したい場合はフォレンジック調査会社へ相談する

警察は犯罪被害について通報・相談する窓口です。

一方で、「スマホのどこに不審な痕跡が残っているか」「どの情報が漏れた可能性があるか」といった技術調査を、個人の依頼に応じて網羅的に行うサービスではありません。

次のような場合は、フォレンジック調査会社への相談も選択肢になります。

  • 乗っ取りの痕跡が端末内に残っているか確認したい
  • 不審なアプリを削除しても異常が続いている
  • 情報漏洩の範囲を確認したい
  • 初期化前に端末内の記録を保存したい
  • 警察や弁護士へ提出できる調査資料が必要
  • 法人端末や業務アカウントが関係している
  • 自分で端末の安全性を判断できない

フォレンジック調査会社への依頼は、警察への通報や相談に代わるものではありません。金銭被害が発生している場合は警察へ相談し、必要に応じて端末調査を併用してください。

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スマホ乗っ取りの警察相談に関するよくある質問

乗っ取られた証拠がなくても警察に相談できますか?

証拠が十分にそろっていなくても、警察へ相談することは可能です。

ただし、相談時には「乗っ取られた気がする」という感覚だけでなく、疑うきっかけとなった出来事を整理してください。

たとえば、身に覚えのないログイン通知、パスワード変更、なりすまし投稿、不正送金などです。

不正アクセスの有無を技術的に確認したい場合は、IPAやフォレンジック調査会社への相談も検討します。

どこの警察署へ相談すればよいですか?

原則として、最寄りの警察署または都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口へ相談します。

窓口が分からない場合は、#9110へ電話するか、警察庁のサイバー事案に関するオンライン受付窓口を利用してください。

警察に相談すればスマホを解析してもらえますか?

警察へ相談したからといって、必ずスマホの解析が行われるわけではありません。

警察は、被害内容や事件性、提出された証拠などを確認したうえで対応を判断します。

個人情報の漏洩範囲やマルウェアの痕跡などを詳しく確認したい場合は、民間のフォレンジック調査会社への依頼を検討してください。

>>関連記事:警察はスマホをどこまで解析できる?

スマホは警察へ相談する前に初期化してもよいですか?

犯罪被害や情報漏洩が疑われ、証拠を残す必要がある場合は、初期化を急がないでください。

初期化によって端末内の記録を確認しにくくなる可能性があります。

警察や調査会社へ相談し、証拠保存の必要性を確認したうえで判断してください。

家族や交際相手による乗っ取りも相談できますか?

家族や交際相手であっても、無断でアカウントへログインされたり、個人情報を悪用されたりした場合は、警察へ相談できます。

脅迫、ストーカー、位置情報による監視など、身の危険を感じる場合は、スマホの乗っ取りだけでなく、発生している被害全体を警察へ説明してください。

緊急性が高い場合は110番を利用します。

まとめ

スマホ乗っ取りによって、不正送金、SNSのなりすまし、アカウントへの不正ログインなどの具体的な被害が発生している場合は、警察へ相談してください。

主な相談先は、最寄りの警察署、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口、警察相談専用電話「#9110」、警察庁のオンライン受付窓口です。

警察へ相談する前には、ログイン履歴、不正利用の明細、なりすまし投稿、サービス運営会社とのやり取りなどを保存し、被害の経緯を時系列で整理します。

金銭被害がある場合は銀行やカード会社、SIMの異常がある場合は携帯会社にも直ちに連絡してください。

また、スマホ内部の痕跡や情報漏洩の範囲を確認したい場合は、初期化を急がず、フォレンジック調査会社への相談も検討しましょう。

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