HDD (ハードディスク) の「論理障害」「物理障害」とは?原因や対処法を解説

HDDはデリケートな機器のため、データトラブルによって突然データを認識できなくなることは珍しくありません。

このようなHDDのデータ障害は大きく「論理障害」「物理障害」という2種類に分類できます。しかし、それぞれの原因や対処法は異なっているため、正しい対応を行わないとデータが取り出せなくなってしまうことがあります。

本記事では、障害の特徴や、原因・対処法などについて解説していきます。

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1. HDDの論理障害とは?

「論理障害」とは、HDDに物理的故障はないものの、データやシステムの破損によって生じる障害を指しています。

原因としては「誤操作によるデータ消去・初期化」「読み書き中の強制終了によるファイルシステム(データの本棚)の破損」などが例として挙げられます。

論理障害の場合、以下のような症状が機器に発生します。(異音などの物理症状はありません)

  • フォーマット(初期化)が要求される
  • OS(WindowsやMacなど)が起動しない・過度にフリーズする
  • ブルースクリーンが表示される
  • ファイルやフォルダが開けない

もしこのような状態で、HDDでの作業やファイルのコピーを行うと、データの上書きが行われてしまい、データ復旧率は著しく低下してしまいます。

論理障害の代表例としては「誤操作」と「ファイルシステム障害」があります。

データ削除・初期化などの誤操作

誤った操作でデータの削除・初期化・フォーマットを行ってしまう例です。誤操作はデータの移動や削除などで日常的に起こりやすく、代表的なデータトラブルといえます。なお、誤操作による削除後、しばらくはHDDにデータの痕跡が残るため、専門の復旧ツールで痕跡を解析することで、データ復旧できる可能性があります。

しかし、削除後に復元ソフトなどで何らかの操作を行うと、痕跡を上書きしてしまい、データ復旧率が下がってしまう可能性があります。確実にデータ復旧するには、速やかに専門の復旧業者に相談する必要があります。

ファイルシステム障害

ファイルシステム障害とは、データを管理する目次のような機能(ファイルシステム)の障害です。しかし、強制終了などで、ファイルシステムの整合性が乱れると、データにアクセスできなくなります。

この場合、パソコンは新しいファイルシステムを構成するためにフォーマットを要求してきます。ただし、データそのものが破損している可能性は低く、エラーチェッカー(4-1参照)で復旧可能な場合があるため、フォーマットを実行すると本来は無事だったデータは失われてしまいます。フォーマットは安易に行わないようにしましょう。

2.HDDの物理障害とは?

「物理障害」とは、HDDが物理的に破損したことで起こる障害です。物理障害の場合、個人で対応可能な範囲を超えているため、修復やデータ復旧を行うには、専門の業者に依頼する必要があります。

物理障害の場合、主に下記のような症状が発生します。

  • カチカチ・カタカタと異音がする
  • 焦げたようなにおいがする
  • フォーマットの要求
  • 頻繁に再起動・フリーズする
  • OSが起動せず「Operating System Not Found」「DISK BOOT FAILURE…」などのエラーメッセージが出る

物理障害の代表例としては「磁気ヘッド障害」と「ファームウェア障害」があります。

磁気ヘッド障害

磁気ヘッド障害とは、HDDに読み書きを行う装置の障害です。

磁気ヘッドが破損すると不規則な動作を起こし、カチカチ・カタカタといった異音がします。この状態で通電すると、プラッタ(HDDのデータ記録面)に傷がつく「重度物理障害(スクラッチ)」を引き起こし、2度とデータが取り出せなくなってしまいます。

なお、磁気ヘッド障害の修復には高度な防塵設備「クリーンルーム」でHDDを開封する必要があります。これは個人で対応することが不可能なので、データを安全に取り出すには、絶対に通電せず、専門のデータ復旧業者に相談しましょう。

ファームウェア障害

ファームウェア障害とは、HDDを動作させるプログラムの障害です。ファームウェアが不具合を起こすと、正確にデータを読み書きできなくなってしまいます。通常、個人ユーザーはファームウェアにアクセスできません。

症状に関しても、ファームウェア障害は他の物理障害や論理障害との判別が難しく、原因を特定しにくい傾向があります。そのため、正確な診断・手順を行わなければ、ファームウェア障害は修復ができません

さらに、各メーカーはファームウェアに関する情報を一切公開しておらず、それぞれの構造も異なります。そのため、ファームウェアからの復旧が可能という専門業者は、技術力を把握する上でも有効な指標になるといえます。

3.HDD障害時の注意点

HDD障害が疑われる場合は以下の点に注意してください。

通電しない

HDDが故障している状態では、通電を極力避けることが大切です。

物理障害が起きている状態で通電すると、磁気ヘッドが不規則に動作し、データ記録面と磁気ヘッドが接触してしまう可能性があります。磁気ヘッドとの接触によりプラッタが傷つくと、記録されたデータも破壊されてしまうため、HDDの故障時には、出来るかぎり通電を避けましょう。

電源のオンオフを繰り返さない

HDDにとって最も負荷が高い作業が電源のオンオフであり、故障状態でオンオフを繰り返すと、必要なデータが上書きされたり、あるいは機器が物理的に破損してしまう可能性があります。

HDDが故障している、もしくはそれが疑われる状態では、電源を何度もオンオフしないようにしましょう。

分解しない

物理障害を起こしたHDDの分解作業を個人で行うことは推奨しません。HDDのデータ記録面は、ごく小さなホコリも故障の原因になります。そのため、専用のクリーンルームで解体を行う必要があります。

また、分解作業には専門知識が必要な上、ユーザが一度分解してしまうと、取り返しのつかない状態になるだけでなく、メーカーの保証対象からも外れてしまう可能性があります。

障害を自己判断しない

論理障害と物理障害は原因が異なるため、障害が発生した際の対処も異なります。しかし、エラーメッセージやフォーマット要求など、2つの障害は症状が似通っていることがあるため、自己判断をしてしまうと、却って状態を悪化させる可能性があります。

大切なデータを安全に復旧するためには速やかに電源をOFFにし、データ復旧ソフトの使用は控えて、専門業者に相談しましょう

4.HDDのデータ復旧・修復方法は?

ここからは、HDDのデータ復旧・修復方法について紹介をします。

ただし、紹介する方法のうち①と②は個人で行うものなので、失敗するとHDD内のデータも消失してしまう可能性があります。あくまで、個人での復旧作業は、自己責任であることを理解してから行ってください。

①エラーチェッカーで自動修復する(Windows)

ファイルシステム破損によるフォーマット要求など、軽度の論理障害であれば、Windowsの場合、エラーチェッカーで自動修復できる場合があります。

ただし、エラーチェッカーは物理障害には対応していません。物理障害が疑われる場合、もしくは、物理障害と論理障害の判別が難しい場合は、エラーチェッカーを使ってはいけません

エラーチェッカーでの修復方法は次の通りです。

  • ①「PC」を表示します。
  • ②チェックしたいHDDを選択し、右クリックします。

  • ③プロパティを表示し、「ツール」タブをクリックします。

  • ④エラーチェッカーの「チェック」をクリックします。

  • ⑤スキャンが開始されます。エラーが検出された場合は、ファイルシステムを修復するため、再起動のメッセージが表示されます。(再起動すると自動でシステムの修復が開始されます)

②データ復元ソフトを使用する

論理障害の場合、消えてしまったデータはデータ復旧ソフトで復元できる場合があります。

しかし、データ復元ソフトは、素人判断での作業となることが多いため、復元率は決して高くなく、物理障害にも対応していないため、本来は無傷だったデータを上書きしたり、機器の状態を悪化させたりする可能性があります。また、データ復旧ソフトを使用した後では、データ復旧業者に依頼しても復旧率が著しく低下するリスクがあります。重要なデータの場合は、復元ソフトの使用は控えましょう。

③データ復旧業者に依頼する

これまでの対処法は個人でも原因が特定できる場合に有効でした。しかし、原因を正しく特定できないまま対処すると、さらに状態を悪化させてしまうリスクがあります。

また、HDDが認識しない場合、メーカーや家電量販店に問合せする方もいますが、メーカーや家電量販店は基本的に「外側の機器」を提供しているだけで、修理・交換には対応していても、データ復旧の対応は行っていない場合がほとんどです

もし、最も安全にデータを復旧させたい場合は、実績と技術力のあるデータ復旧の専門業者に任せるのが重要です。「安全にトラブルを解決したい」「失いたくないデータがある」という場合、データ復旧の専門業者に相談してみましょう。

5.おすすめのデータ復旧サービス・業者

専門業者に依頼すると決めても、数ある業者の中から何を基準に選べばいいのか分からない方も多いでしょう。そこで、おすすめのデータ復旧業者を紹介します。

デジタルデータリカバリー

デジタルデータリカバリー公式サイト

今回おすすめするデータ復旧業者は「デジタルデータリカバリー」です。

おすすめ理由は次の通りです。

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  • 対象機器
    RAID機器(NAS・サーバ)・ハードディスク(パソコン)・外付けHDD・USBメモリ・ビデオカメラ・SSD・SDカード・microSDカード・スマートフォンなど

6.まとめ

HDDの物理障害・論理障害について解説しましたが、HDD内に重要なデータが保存されている場合、個人での復旧・修復作業は状態が悪化するため、推奨しません。

HDDが故障し、物理障害・論理障害が発生した場合は、状況やデータの重要度に合わせて適切な対処を行うようにしましょう。

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