「トロイの木馬に感染しました」偽警告の消し方と対処法

トロイの木馬に感染しました」と突然表示されても、慌てる必要はありません。多くは電話をかけさせたり、偽のサポート契約やソフトの購入に誘導したりするサポート詐欺の偽警告です。

MicrosoftやWindows、セキュリティ企業のロゴが表示されていても、本物とは限りません。画面の指示に従ってリンクをクリックしたり、ソフトをインストールしたり、個人情報やクレジットカード情報を入力したりしないことが重要です。

この記事では、「トロイの木馬に感染しました」と表示される原因、偽警告の見分け方、正しい消し方、誤って従ってしまった場合の対処法までわかりやすく解説します。法人向けに、社内報告や相談先の考え方もまとめています。

>>「トロイの木馬に感染しました」警告に電話してしまった時の対応について詳しくはこちら

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「トロイの木馬に感染しました」と表示された場合の安全な消し方

「トロイの木馬に感染しました」などの警告がブラウザ上に突然表示された場合、ほとんどのケースで実際のウイルス感染ではなく、偽警告です。
冷静に対処すれば被害は防げます。以下の手順に従って、安全に画面を閉じ、セッションをクリアしましょう。

①タスクマネージャーでブラウザを強制終了する

偽警告は、ページ内にポップアップが大量表示されたり、操作ができないような演出をされることがあります。その場合は以下の手順で、強制的にブラウザを終了しましょう。

  1. Windowsの場合:「Ctrl」+「Shift」+「Esc」でタスクマネージャーを起動
  2. Macの場合:「Command」+「Option」+「Esc」でアプリ強制終了メニューを開く
  3. 一覧から「Google Chrome」や「Microsoft Edge」など、使用中のブラウザを選択
  4. 「タスクの終了」または「強制終了」をクリック

これにより、画面に残っていた偽警告も強制的に閉じられます

②キャッシュ・履歴・クッキーを削除する

ブラウザを強制終了した後は、セッション情報が残っている可能性があるため、キャッシュやクッキーを削除しましょう。これは、偽警告が再表示されたり、不正なスクリプトが再読み込みされるのを防ぐための措置です。

  1. ブラウザを再起動し、右上の「︙」メニューをクリック
  2. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」を選択
  3. 「キャッシュされた画像とファイル」「Cookieと他のサイトデータ」にチェック
  4. 「データを削除」をクリック

※ 他のブラウザでも「履歴」や「セキュリティ」設定から削除可能です。

③ウイルス対策ソフトで簡易スキャンを行う

操作後の安全確認として、信頼できるセキュリティソフトで簡易スキャンを実行しましょう。
偽警告を表示していたページがマルウェアを仕込んでいた可能性を完全に排除するためです。

既にセキュリティソフトが導入されている場合はソフトを起動し、「クイックスキャン」や「スマートスキャン」などを選んで実行しましょう。

セキュリティソフトが未導入の場合はWindowsに標準搭載されているMicrosoft Defenderの使用や、無料の信頼できるウイルス対策ソフトを一時的に利用しても問題ありません。

④パソコンを再起動する

これまでの操作が終わったら、一度パソコンを再起動してシステムをリフレッシュしましょう。
再起動により、バックグラウンドで残っているセッションや仮メモリがクリアされます。

また、万が一マルウェアが常駐していた場合も、初回起動時に検出・駆除される可能性が高まるため、念のため実行することをおすすめします。

⑤スマホ(iPhone/Android)で偽警告が表示された場合の消し方

スマホに「トロイの木馬に感染しました」と表示されても、多くはブラウザ上の偽警告です。まずは表示されたボタンや電話番号、リンクをタップせず、ブラウザアプリを終了してください。

iPhoneの場合

ブラウザを強制終了した後は、セッション情報が残っている可能性があるため、キャッシュやクッキーを削除しましょう。これは、偽警告が再表示されたり、不正なスクリプトが再読み込みされるのを防ぐための措置です。

  1. Safariを閉じる
  2. 「設定」アプリを開き、「Safari」をタップ
  3. 「履歴とWebサイトデータを消去」を選択
  4. 見覚えのないカレンダー登録、通知許可、不審な構成プロファイルがないか確認する

Androidの場合

  1. Chromeなど使用中のブラウザを終了する
  2. ブラウザのメニューから「履歴」または「閲覧データの削除」を開く
  3. キャッシュとCookieを削除する
  4. 警告画面をきっかけに追加した不審なアプリがないか確認する
  5. 不要なアプリがあれば削除する

最後に端末を再起動し、同じ画面が再表示されないか確認します。不安が残る場合は、スマホ向けのセキュリティアプリでスキャンを行うと安心です。

本当にトロイの木馬へ感染している可能性がある症状

「トロイの木馬に感染しました」という画面が表示されただけでは、実際に感染しているとは判断できません。

一方、次のような操作や異常がある場合は、安全確認が必要です。

  • 警告画面からファイルをダウンロードして実行した
  • 指示されたソフトやアプリをインストールした
  • 遠隔操作を許可した
  • 正規のセキュリティソフトが脅威を検出した
  • ブラウザを閉じても不審な画面が表示される
  • 覚えのないアプリや拡張機能が追加された
  • パソコンが勝手に操作される
  • 身に覚えのないログインや送信履歴がある
  • セキュリティ機能が無効になっている
  • クレジットカードや銀行口座に不審な利用履歴がある

パソコンの動作が遅い、電池の減りが早いといった症状だけで、トロイの木馬への感染を断定することはできません。

レンジック調査会社に相談することが、被害の全容を明らかにするための最も確実な手段です。

トロイの木馬への感染を確認する方法

偽警告を閉じた後は、警告画面内のスキャン機能ではなく、パソコンに導入されている正規のセキュリティ機能を使用します。

セキュリティソフトでスキャンする

Windowsの場合は、「Windows セキュリティ」を開き、「ウイルスと脅威の防止」からスキャンを実行します。

警告が表示されただけの場合は、最初にクイックスキャンを実行します。

不審なファイルを実行した、ソフトをインストールした場合は、フルスキャンやオフラインスキャンも検討してください。

契約しているセキュリティソフトがある場合は、そのソフトをスタートメニューなどから直接起動します。警告画面に表示されたリンクから開いてはいけません。

ダウンロード履歴を確認する

警告画面を操作した可能性がある場合は、ブラウザのダウンロード履歴とダウンロードフォルダを確認します。

見覚えのないファイルがあっても、開いたり実行したりしないでください。

ファイル名とダウンロード日時を確認し、不要なファイルを削除したうえで、セキュリティスキャンを実行します。

インストール済みのソフトを確認する

警告が表示された後に、覚えのないソフトや遠隔操作アプリが追加されていないか確認します。

特に、相手から指示されて遠隔操作ソフトをインストールした場合は、ネットワークを切断したうえで対応してください。

正規の遠隔操作ソフトでも、第三者へ接続情報や操作権限を渡した場合は、パソコン内の情報を閲覧・操作された可能性があります。

「トロイの木馬に感染しました」偽警告の指示に従ってしまった場合の対処法

対応方法は、警告が表示された後に何をしたかによって異なります。

行った操作主な対応
何もしていないブラウザを閉じてスキャン
ファイルをダウンロードした開かずに削除してスキャン
ソフトをインストールしたネットワーク切断、削除、スキャン
遠隔操作を許可したネットワーク切断、被害範囲の確認
パスワードを入力した安全な端末から変更
カード情報を入力したカード会社へ連絡
金銭を支払った決済事業者と警察へ相談
電話をかけた電話後の対応記事を確認

Microsoftは、正規の警告メッセージにサポートへ電話させるための電話番号を掲載しないと説明しています。警告画面に電話番号が表示されていても連絡しないでください。

ソフトをインストールした場合

まずWi-Fiをオフにするか、LANケーブルを抜いてネットワークから切断します。

その後、インストールしたソフト名、インストール日時、相手から受けた指示を記録してください。

個人のパソコンであれば、不審なソフトをアンインストールし、セキュリティソフトでスキャンします。

社用パソコンの場合は、自己判断で初期化せず、情報システム部門やセキュリティ担当者へ報告してください。

パスワードやカード情報を入力した場合

パスワードを入力した場合は、安全が確認できている別の端末から変更します。

同じパスワードを使い回しているサービスも変更し、可能であれば多要素認証を設定してください。

クレジットカード情報を入力した場合は、カード会社へ連絡し、利用停止や再発行が必要か確認します。

電話をかけた場合

電話をかけただけで、情報提供、ソフトのインストール、支払いをしていない場合と、遠隔操作まで許可した場合では必要な対応が異なります。

詳しくは、以下の記事を確認してください。

>>「トロイの木馬に感染しました」という警告に電話してしまった場合の対処法

法人が「トロイの木馬に感染しました」というサポート詐欺に遭った場合の対応と報告手順

「トロイの木馬に感染しました」と表示される偽警告によって、
法人の業務端末で不審なソフトウェアをインストールしてしまった、遠隔操作された、情報が流出した疑いがある場合、一般ユーザーとは異なる、法令に基づいた対応と社内での危機管理プロセスが求められます。

ここでは、被害が発生した際に取るべき法人向けの対応フローを解説します。

サポート詐欺被害が出た場合の社内報告・証拠保全

まず最初に行うべきは、被害を確認した時点で即座に社内で報告を行い、証拠を確保することです。
情報システム部門や情報セキュリティ担当者に速やかに連絡し、次の対応を実施してください。

【2025年最新】サポート詐欺で遠隔操作されたら?具体的な対処法と防止策を解説>

個人情報保護委員会への報告義務

被害内容に個人情報の漏えいが含まれる可能性がある場合
改正個人情報保護法(2022年4月施行)により、報告義務が発生する場合があります。

報告のタイミングは以下の通りです。

  • 速報:被害の事実を認知してから3〜5日以内
  • 確報:事実確認が完了してから30日以内(不正アクセスなどの場合は60日以内)

報告の提出先は個人情報保護委員会であり、所定の報告書フォームに基づいて提出する必要があります。報告項目には、漏えい対象の件数・範囲・原因・再発防止策などが含まれ、場合によっては、本人への通知義務も発生します。

報告は、以下画像(報告書例の一部)のように記入し提出します。

「報告書の例」 出典:個人情報保護委員会

フォレンジック調査会社への相談

「何が起こったのか」「どこまで被害が及んだのか」が不明なままでは、
社内調査だけでは限界があり、説明責任も果たせません。こうした状況では、フォレンジック調査会社に相談することを強く推奨します。

フォレンジック調査で確認できることは以下の通りです。

  • 不審ソフトの挙動ログ・感染経路の特定
  • 情報漏えいの有無・送信先の追跡
  • マルウェアの残存有無や再感染リスクの分析
  • 社内ネットワークにおける水平感染の兆候

フォレンジック調査は「すでに被害が起きたとき」だけでなく、被害の有無を判断できない段階でも有効です。
たとえば、業務用端末で不審なソフトウェアをインストールしてしまった場合、または偽警告に表示された番号に電話をかけてしまった場合、その時点で外部からの遠隔操作や情報送信が発生していた可能性を否定できません。

さらに、サポート詐欺の指示に従ってリモートアクセスソフトを起動した、あるいは業務に関連する顧客データや取引先情報、従業員情報などの個人データにアクセスできる環境下でトラブルが発生したような場合は、個人情報漏洩等の懸念から速やかに調査を行う必要があります。

こうした状況では、「何も起きていないかもしれない」と楽観視せず、早期に調査を依頼することで、被害の拡大や法的リスク、信頼低下を最小限に抑えることができます。

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