普段、PCの動きが気になることはありませんか?業務中にエラーが発生した際、「ログを確認しました」といった言葉を耳にすることも多いかもしれません。では、PCの操作ログとは一体何でしょうか?取得する目的は何なのでしょうか?そして、一般の人でも簡単に取得できるのでしょうか?本記事では、PCの操作ログの調査方法とその際の注意点について、詳しく解説します。
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ログとは?
IT業界やシステム管理の仕事では、「ログ」という言葉をよく耳にします。しかし、実際に「ログ」とは一体何を指すのでしょうか?
ログには「データログ」と「ログデータ」の2つの表現がありますが、この2つは似ているようで微妙にニュアンスが異なります。
- データログ:主に「データ」の記録を指し、特にプロセスや操作に関する詳細なデータを時系列で記録するものです。たとえば、センサーの測定結果やシステムのパフォーマンスデータなどが該当します。
- ログデータ:こちらは「ログ」を主語にしており、パソコンやデバイス上で行われた操作やシステムの動きに関する情報を指します。例えば、ユーザーの操作履歴やシステムのイベントなどが「ログデータ」に含まれます。
つまり、PCの操作ログとは、主に「ログデータ」に該当します。
ログの種類
ログにはさまざまな種類があります。例えば、「操作ログ」「認証ログ」「エラーログ」「通信ログ」など、システムやユーザーの動作に応じて異なるログが生成されます。
今回はその中でも「操作ログ」について紹介します。
PCの操作ログでは、主に「いつ」「誰が」「どのファイル」「どのような操作」を行ったかの記録を確認することができます。
PCの操作ログを取得する目的
テレワークの普及やデジタル世代の進展により、パソコンやスマートフォンは子供から大人まで広く利用されています。操作ログを確認することで、例えば「いつ」「誰が」「どのファイル」「どのような操作」を行ったかを把握でき、不正な操作やセキュリティ上の問題を早期に発見することができます。これにより、企業だけでなく、家庭でも子どもたちの安全を守るための重要な手段となり得ます。
社員の在宅勤務やテレワーク時の勤務状況を把握できる
管理職が抱える難しさの一つは、部下の勤務状況の把握です。オフィスに出勤していれば、勤務状況は比較的簡単に把握できますが、在宅勤務の場合はその状況を確認するのが難しくなり、仕事の評価も一層難しくなります。しかし、PCの操作ログを確認することで、勤務時間や業務の進捗状況を把握することが可能になります。
パソコンにおける不正操作の有無を確認できる
「自分のパソコンがいつの間にかウイルスに感染していた」「知らない請求書が届いた」など、思いもよらぬトラブルが発生した場合、PC操作ログを確認することで、パソコンがハッキングや乗っ取りにあったのか、誰かが不正に操作しているのかを確認することができます。
情報漏洩時の原因調査に役立つ
社内の機密情報や自分の個人情報が漏洩した場合、被害を拡大を抑えるため、いつ・どの端末から・どのような不正操作が行われたのかを特定することが重要です。さらに操作ログにより、アクセスした情報がどこに転送されたか、どこまで漏洩したいかのも把握可能です。また、社内ネットワーク内での異常な動き(大量のデータ転送や不正なログインなど)を早期に発見し、迅速な対策を取るための重要な手がかりとなります。
PC操作ログの調査が必要になるタイミング
PC操作ログの調査が必要になるタイミングは、目的が明確であれば、意外に身近な状況でも発生します。例えば、以下のようなケースでは、PC操作ログを調査することが重要です。
社内不正の疑いがある場合
どの企業でも、社内不正が発生する可能性があります。社内不正にはさまざまな種類がありますが、よく見られるのは「横領」「情報の持ち出し」「労務問題」などです。
- 横領
- 情報の持ち出しや漏洩
- 労務問題の実態調査
横領
横領とは、会社の資産や財産を不正に自分のものとして使う行為です。例えば、現金の着服や備品の盗難などが含まれます。このような不正を防ぐためには、操作ログの確認が有効です。ログを調べることで、社内の資金移動や備品の管理状況を確認でき、場合によっては賄賂の事実なども明らかになることがあります。また、お金だけでなく、実績や部品の不正な操作もログに記録されている可能性があります。
情報の持ち出しや漏洩
企業にとって、機密情報や顧客情報は最も重要な資産です。もし情報漏洩の疑いがある場合、被害の拡大を防ぐためにも、速やかに調査を行う必要があります。PC操作ログを調べることで、情報がどのように取り扱われ、どこに移動されたのかを特定することができます。
労務問題の実態調査
テレワークの勤務状況や社内でのパワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどの問題を疑っている場合も、PC操作ログの確認が重要です。これにより、実際の勤務状況や、問題の発端となるような行動を記録として確認し、事実を明らかにすることができます。
サイバーインシデントが発生した場合
現代はデジタル化が進み、社内の情報はほぼネット上で保存・管理されています。また、ネットショッピングやオンラインサービスの利用が普及している中、コロナ禍で人との接触が減少し、オンラインでの取引や支払いが増えました。これにより、サイバーセキュリティ対策を講じていても、サイバーウイルスが侵入するリスクは依然として高く、社内情報や個人情報が漏洩する可能性もあります。
- ウィルスやランサムウェア感染
- ハッキングや乗っ取り
- サポート詐欺被害
ウィルスやランサムウェア感染
朝出社すると、パソコンに不審なファイルが入り込んでいたり、データがすべて書き換えられていたり、あるいは自宅のパソコンが急に動かなくなったりした場合、ウイルスやランサムウェア感染の可能性があります。これらは業務だけでなく、日常生活にも支障をきたすことがあります。PPC操作ログを確認することで、感染ルートを特定し、再感染を防ぐための適切な対策を立てることができます。
ハッキングや乗っ取り
パソコンが急に動かなくなったり、パスワードがすべて置き換えられたり、不審なメールが大量に届いたりした場合、データ復旧やパソコンの修理だけでなく、ハッキングや乗っ取りの可能性が高くなります。この場合、PC操作ログの調査が重要です。どこで不正なリンクやルートが作られたかを調べることで、次回以降の防止策を講じることができます。
>>>パソコン乗っ取られたらどうなる?乗っ取り手口と対処方を徹底解説
サポート詐欺被害
最近では、詐欺の手口が進化し、普段利用しているサービスや企業名を装った警告メッセージが増えています。例えば、「アマゾン」や「クロネコヤマト」を名乗る詐欺メールが多く、内容としては以下のような要求が含まれています。
- 商品が正しく配送できなかったため、再度住所を入力してください
- 本人確認のためカード情報を入力してください
- QRコードをスキャンして再登録をお願いします
これらのメールは、普段使っているサービスからのものと思い込んで、警戒心を持たずに返信してしまうことが多いです。その結果、気づかないうちに被害に遭っていることがあります。しかし、PC操作ログの調査によって、こうした不正行為を早期に発見することが可能です。
自分でできるPC操作ログの取得方法
PCの操作ログを不定期に確認したい場合、どのようにすればよいかを具体的に説明します。以下では、主にWindowsとMacのシステムにおけるログ取得方法を紹介します。どちらの方法も簡単に実行できるので、自宅での調査にも役立つと思います。
- Windowsのイベントビューアーを活用する
- Macのコンソールを利用する
Windowsのイベントビューアーを活用する
Windowsでは、イベントビューアーを使用してPCの操作ログを取得できます。イベントビューアーは、システムの動作やアプリケーションの動作に関する詳細なログを記録するツールです。以下の手順で操作ログを取得できます。
- イベントビューアーを開く
- Windows 10の場合、スタートメニューから「イベント ビューアー」と入力し、Enterキーを押してイベントビューアーを開きます。
- Windows 11の場合、「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」を選択し、「Windowsツール」の中からイベントビューアーを選びます。
- ログの確認
- 左側のペインで「Windowsログ」を展開し、「セキュリティ」をクリックします。
- 「セキュリティ」ログには、ユーザーのログオン・ログオフ、アクセス制御、システムの重要なイベントなどが記録されています。
- 必要に応じて、他のログカテゴリ(アプリケーションやシステムなど)も確認できます。
Macのコンソールを利用する
Macでは、コンソールアプリを使用して、システムやアプリケーションのログを取得できます。コンソールは、Macで発生したエラーや警告を表示し、操作履歴を追跡するのに役立ちます。
- コンソールを開く
- Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」の中にある「コンソール」を選択します。
- もしくは、Spotlight検索で「コンソール」と入力してアプリを開くこともできます。
- ログの表示
- コンソールアプリが開いたら、左側の「システムログ」や「ユーザーログ」を選択して、システム全体のログを確認します。
- システムログには、Macの起動やシャットダウン時の情報、システムエラーが記録されています。
- ユーザーログには、アプリケーションのエラーや警告が表示されます。
Windowsでは、イベントIDという番号で表示されますが、Macではログの「タイプ」という項目で色分けされて表示されます。色によりエラーの種類や重要度が異なります。
自力で調査するのが難しい場合は専門の調査会社に相談する
自分でログを調べることはできても、ログの内容を理解して判断するためには専門的な知識が必要です。特に不正アクセスやトラブルシューティングの場合、正確な解析と対処が求められます。そのため、調査結果をどのように活用すべきかが不安な場合もあるかもしれません。そのような場合、専門の調査会社に相談するのも一つの方法です。調査のプロに依頼すれば、ログの解析やその後の対応方法について、的確なアドバイスを受けることができます。
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PC操作ログの取得・管理に関する注意点
現在、パソコン内のログ取得ツール以外にも、IT企業によって開発されたログ取得ツールが多数存在します。社内での導入や自宅用に検討されている方も多いかもしれませんが、ログ取得にあたっては以下の注意点を理解しておくことが重要です。
- 定期的にシステムとの同期を行う
- データの管理とバックアップを確実に行う
- データの取り扱いに配慮する
定期的にシステムとの同期を行う
操作ログを定期的に取得するためには、システムとの同期が欠かせません。ログデータがリアルタイムで正確に反映されるよう、システムの設定やツールの同期を定期的にチェックし、データの取得漏れや不整合を防ぎましょう。
データの管理とバックアップを確実に行う
操作ログは膨大な容量を占めることが多く、重要な情報も含まれているため、適切なデータ管理とバックアップが求められます。ログデータが失われないように、定期的にバックアップを取るとともに、安全に保管する体制を整えましょう。
データの取り扱いに配慮する
操作ログは、ユーザーの行動を記録したものであるため、個人情報が含まれていることがあります。そのため、ログデータを取得する際は、その目的を明確にし、必要なデータだけを適切に収集するようにしましょう。また、取得したデータを第三者に漏らさないように、十分に管理することが大切です。
まとめ
PC操作ログの取得と管理は、業務上非常に重要ですが、適切な方法で行う必要があります。システムとの同期、データ管理、取り扱いに関する注意点を理解し、目的に合ったログ取得を行うようにしましょう。また、ログの取得タイミングも重要な要素です。もし疑問がある場合は、専門家によるファストフォレンジック(迅速な調査)を依頼することも一つの選択肢です。