企業における内部不正や情報漏えい、マルウェア感染といったインシデントは、発生後の対応次第で被害の拡大や法的リスクに直結します。重要なのは、推測ではなく客観的なデータに基づいて事実関係を整理し、経営判断につなげることです。
そのために活用されるのがデジタルフォレンジックです。ログ解析やデータ復元、時系列の再構成を通じて、「何が起きたのか」「どこまで影響が及んだのか」を明確にします。
本記事では、実際の企業インシデントを想定したケーススタディを通じて、どのような場面でフォレンジック調査が必要となるのか、また調査結果がどのように意思決定に活用されるのかを解説します。
>>フォレンジック調査会社の選び方|費用・期間・おすすめ企業を解説
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デジタルフォレンジックが必要になる主なケーススタディ
デジタルフォレンジックは、単にログを確認する作業ではありません。企業におけるインシデント対応では、「何が起きたのか」「どこまで影響が及んだのか」「誰が関与したのか」を客観的に整理するための手法として活用されます。
ここでは、実際の企業活動で発生しやすい代表的なケースを取り上げ、フォレンジックがどのように活用されるのかを解説します。
- 退職者による営業秘密の持ち出し
- 会計・経理不正の疑い
- ケース③:サイバー攻撃・マルウェア感染の調査
- ケース④:証拠データの復元・改ざん検出
- ケース⑤:技術流出や業界特有のインシデント
退職者による営業秘密の持ち出し
営業担当者や技術者が退職直前に、顧客データや設計資料を外部へ持ち出していた疑いが生じるケースです。特に、競合企業への転職や独立開業が予定されている場合、リスクは高まります。
退職者の情報持ち出しに関するフォレンジック調査で確認されるポイント
- USB接続履歴の有無
- 特定フォルダへの集中的アクセス
- 大量ファイルのコピーや圧縮履歴
- 私用メールやクラウドへの送信ログ
- 退職前後のログイン時間帯の異常
特に退職前の数日間はログ保存や権限管理を強化する必要があります。また、疑いの段階で端末を不用意に操作すると証拠が失われる可能性があります。初動の適切さが、その後の損害回収や法的対応を左右します。
会計・経理不正の疑い
売上金の着服、架空請求、振込データ改ざんなど、資金管理部門における不正が疑われるケースです。帳簿の不整合や不自然な送金が発端となることが多く、発覚までに時間がかかる傾向があります。
会計・経理不正のフォレンジック調査で確認されるポイント
- 会計ソフトの操作ログ
- 過去日付への仕訳修正履歴
- 銀行取引データとの突合
- 承認フローの履歴
- メールやチャットによる指示内容
単なる帳簿確認ではなく、デジタル操作履歴を照合することで、不正の有無や期間を明確化します。金額の大小よりも「操作パターンの異常」が重要です。不正の立証には客観的ログが不可欠であり、証拠保全を誤ると処分や請求が困難になる場合があります。
クラウド設定ミスによる情報漏えい
クラウドストレージの公開設定ミスにより、顧客情報や内部資料が外部から閲覧可能となる事故です。悪意のある攻撃でなくとも、重大な漏えいにつながります。
フォレンジック調査で確認されるポイント
- 公開設定が変更された日時
- どのIPアドレスからアクセスされたか
- ダウンロード件数
- IAMポリシー変更履歴
設定変更の時系列とアクセス履歴を突き合わせることで、実際にデータが閲覧・取得された可能性を評価します。構成ミスは「不正」ではなくても、説明責任が発生します。フォレンジック調査を実施し、影響範囲を定量的に示すことが重要です。
ランサムウェア感染後の原因特定
ファイルが暗号化され、業務停止に至るケースです。暗号化だけでなく、データの外部流出を伴う事例も増えています。
ランサムウェア感染後のフォレンジック調査で確認されるポイント
- 初期侵入経路(VPN・メール添付等)
- 権限昇格の有無
- 横展開範囲
- 外部へのデータ転送履歴
このような調査により感染経路と被害範囲を特定することで、再発防止策の設計に活用します。ただし、復旧を急ぐあまりログを上書きすると、原因究明が困難になります。速やかに専門家に相談して証拠保全にとりかかることが重要です。
ログ改ざん・証拠削除の疑い
ログが不自然に欠落している、操作履歴が途中で途切れているなど、改ざんの疑いがあるケースです。これはサイバー攻撃の場合にも内部不正の場合にも該当します。
ログ改ざん・証拠隠滅後のフォレンジック調査で確認されるポイント
- 削除痕跡の検出
- ハッシュ値の不一致
- タイムスタンプの異常
削除や改ざんの有無を検証することで、証拠隠滅が意図的に行われた可能性を評価します。証拠の取得方法や管理手順も後に問われる可能性があり、専門家による保全手続きが推奨されます。
以上のケースに共通しているのは、「事実を客観的に再構成できるかどうか」がその後の選択肢を決定づけるという点です。原因や被害範囲が曖昧なままでは、適切な処分や法的対応、対外説明を行うことは困難になります。
特にクラウド環境や高度化した社内システムでは、ログ構造や保存設定が複雑であり、自社のみでの解析に限界が生じる場合もあります。証拠の取得方法や管理手順を誤れば、後に立証が難しくなる可能性もあります。
インシデント対応では、「早く復旧すること」よりも「正確に被害の事実を把握すること」が優先されるべき場面があります。原因特定と証拠保全の段階で適切な判断を行うことが、企業リスクの最小化につながります。
デジタルフォレンジックの専門的知見が必要と判断される場合には、早期に状況整理を行い、適切な調査方針を検討することが重要です。
信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶ重要ポイント4選
信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントは以下の4つです。
- 調査実績が豊富
- セキュリティ認証を取得している
- 調査完了までのスピードが速い
- 無料相談や見積りに対応している
これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。
>>おすすめのフォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説
調査実績が豊富
調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。
セキュリティ認証を取得している
セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。
具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。
こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。
調査完了までのスピードが速い
問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。
無料相談や見積りに対応している
問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。
無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。
編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)
サイバー攻撃や社内不正といった、幅広いインシデントに対してフォレンジック調査を行っている専門会社をご紹介します。
こちらの業者は、相談件数が39,000件を超え、民間の調査会社でありながら官公庁や大手企業との取引実績も多く信頼できるため、幅広い調査に対応していておすすめです。もちろん法人だけでなく、個人のハッキングやサポート詐欺調査などの相談も受け付けています。
まずは無料で相談・見積りまで行ってくれるようなので、不安な方は一度相談してみるとよいでしょう。

| 費用 | ★見積り無料 まずはご相談ください |
|---|---|
| 調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
| サービス | ハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など |
| 特長 | ✓累積ご相談件数39,451件以上 ✓国際基準をクリアした厳重なセキュリティ体制(ISO認証、プライバシーマーク取得済) ✓警視庁からの捜査協力依頼・感謝状受領の実績多数 |
デジタルデータフォレンジックは、国内トップクラスの調査力を有しており、累計3万9千件以上の豊富な実績があります。
規模が大きな調査会社でありながら、個人端末のハッキング調査、不正アクセス調査などの実績もあるようですし、24時間365日の相談体制、ニーズに合わせたプランのカスタマイズなど、サービスの利用しやすさも嬉しいポイントです。
ハッキング調査以外にも幅広い調査に対応しているだけでなく、ケースごとに専門チームが調査対応を行っているとのことで、高品質な調査が期待できます。さらに、警察への捜査協力も行っているなど、信頼がおける専門業者です
相談・見積りを無料で行っているので、まずは電話かメールで問合せをしてみることをおすすめします。
フォレンジック調査会社を利用するときの注意点
フォレンジック調査会社を利用するときの注意点は次のとおりです。
- 不用意に操作しない
- 興信所や探偵は基本的に専門外
- 市販の調査ソフトを使用しない
不用意に操作しない
サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。
興信所や探偵は基本的に専門外
フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。
市販の調査ソフトを使用しない
市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。
調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。
まとめ
本記事で取り上げたケーススタディに共通しているのは、「事実を客観的に再構成できるかどうか」が企業の選択肢を左右するという点です。内部不正、情報持ち出し、サイバー攻撃、証拠改ざんの疑いなど、インシデントの内容は異なっても、最終的に求められるのはデータに基づく事実確認です。
デジタルフォレンジックは、操作ログや通信履歴、削除データの痕跡を解析し、何が起きたのかを時系列で整理する手法です。推測や証言だけに依存するのではなく、客観的な証拠を基盤に判断を行うことで、処分の妥当性や損害回収の可能性を高めることができます。
一方で、初動対応を誤ればログの消失や証拠の毀損につながり、その後の立証が困難になる場合もあります。インシデント発生時には、原因究明と同時に証拠保全を意識した対応が重要です。
デジタルフォレンジックは、問題を拡大させないための事後対応策であると同時に、企業の説明責任を支える基盤でもあります。事案の性質や影響範囲に応じて、適切な専門的支援を検討することが、リスク最小化への第一歩となります。
今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。
■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
■法人/個人問わず幅広く対応
■ 国際標準規格「ISO27001」取得
■ 14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス
- サービス
ハッキング不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、データ改ざん調査など