フォレンジック調査における証拠保全の方法とは?正しい手順と注意点を専門家が解説

企業の情報漏洩や社内不正が疑われたとき、最も重要になるのが「証拠保全」です。証拠がなければ調査も立証も不可能になり、加害者の特定や損害回復が難しくなります。この記事では、証拠の改ざんや消失を防ぐために必要な保全手順を、フォレンジック調査の専門家の視点から詳しく解説します。

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フォレンジック調査における証拠保全方法

ここでは、証拠保全において基本となる具体的な対処法を紹介します。調査対象のデータ改ざんを防ぎ、証拠としての信頼性を担保するためには、以下の手順を確実に実施する必要があります。

  1. オリジナルデータの変更を防止する
  2. 書き込み防止装置を使用する
  3. ミラーイメージを作成する
  4. ハッシュ値で同一性を検証する
  5. 保全作業の記録を残す
  6. 証拠ファイルの直接閲覧・編集を避ける
  7. フォレンジック専用ツールで取得・保存する
  8. 専門業者に相談・依頼する

①オリジナルデータの変更を防止する

調査対象となるパソコンや記憶媒体に対し、直接的な操作や書き込みを行わないことが最重要です。ネットワークから切り離して外部からのアクセスを遮断し、データの上書きや消去を防止する対応が求められます。

オリジナルデータの変更を防止する手順

  1. 調査対象機器の電源を切る(強制シャットダウンは避ける)。
  2. ネットワークケーブルやWi-Fi接続を遮断する。
  3. 必要に応じて、対象機器の取り扱い担当者の操作ログなどを確保する。

②書き込み防止装置を使用する

物理的なストレージ媒体からデータを取得する際、書き込み防止(Write Blocker)機器を使用することで、データの改変リスクをゼロに抑えます。

書き込み防止装置を使用する手順

  1. 調査対象メディア(HDD/SSDなど)を取り外す。
  2. 専用のWrite Blocker機器に接続する。
  3. フォレンジックツールを通じて読み取り操作を行う。

③ミラーイメージを作成する

証拠データを直接扱うのではなく、同一内容の複製イメージを作成し、解析作業はこの複製データで行うことが基本です。

ミラーイメージを作成する手順

  1. 書き込み防止装置を介して原本メディアに接続。
  2. イメージ取得ツール(例:FTK Imager、dd)を使用して完全複製を取得。
  3. 取得したイメージを検証用ストレージに保存。

④ハッシュ値で同一性を検証する

データが改変されていないことを証明するために、原本と複製それぞれからハッシュ値を取得し、一致するか確認する必要があります。

ハッシュ値を取得・検証する手順

  1. 原本メディアに対しMD5やSHA-256のハッシュ値を算出。
  2. 複製したイメージからも同様のハッシュ値を取得。
  3. 双方のハッシュ値が一致することを確認・記録。

⑤保全作業の記録を残す

証拠能力を維持するため、作業者・使用機器・作業日時・環境など、すべての保全過程を詳細に記録し、必要に応じて写真や動画で証拠を補強します。

保全作業を記録する手順

  1. 作業開始前に日時と環境を記録。
  2. 操作ごとに撮影・操作ログを記録。
  3. 保全報告書として書面化し、証拠保全チェーンとして保管。

⑥証拠ファイルの直接閲覧・編集を避ける

証拠データを直接開いたり内容を表示させたりすると、タイムスタンプの更新や属性変更が起こる恐れがあります。調査前の証拠ファイルは直接操作しないのが原則です。

ファイルの直接操作を避ける手順

  1. 取得済みの複製データを対象とする。
  2. ファイルのタイムスタンプやメタデータを抽出専用ツールで確認。
  3. 確認のみで、ファイル自体を開かないよう注意。

⑦フォレンジック専用ツールで取得・保存する

正確なデータ保全のためには、一般的なツールではなくフォレンジック専用ツール(例:X-Ways、EnCase)を使用して取得・保存を行う必要があります。

専用ツールで取得・保存する手順

  1. 対象環境に応じて専用ツールを選定。
  2. 調査対象メディアやクラウド環境にアクセス。
  3. 操作ログやスナップショットを保全対象とし、証拠として保存。

⑧専門会社に相談・依頼する

証拠保全は初動の精度が命です。状況によっては素人判断での対応が証拠改ざんや消失につながることもあるため、フォレンジックの専門会社に速やかに相談することを推奨します。

専門会社に相談する手順

  1. トラブルが発覚した時点で証拠となる機器を電源オフにする。
  2. 保全や調査に強いフォレンジック専門会社を調査・選定する。
  3. 無料相談を活用して状況を説明し、保全・調査の依頼を行う。

調査の信頼性と法的な証拠力を高めるためには、専門の知識とツールを持った業者に依頼することが最も確実です。
特に、企業の内部不正や情報漏洩といった重大インシデントでは、適切な証拠保全が後の交渉や訴訟対応にも大きく影響します。
少しでも不安を感じたら、24時間365日無料相談で対応しているフォレンジック専門会社にすぐに相談することをおすすめします。

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶ重要ポイント4選

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントは以下の4つです。

  • 調査実績が豊富
  • セキュリティ認証を取得している
  • 調査完了までのスピードが速い
  • 無料相談や見積りに対応している

これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。

調査実績が豊富

調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。

セキュリティ認証を取得している

セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。

具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。

こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。

調査完了までのスピードが速い

問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。

無料相談や見積りに対応している

問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。

無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。

>>【2024.11最新】フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説

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フォレンジック調査会社を利用するときの注意点

フォレンジック調査会社を利用するときの注意点は次のとおりです。

  • 不用意に操作しない
  • 興信所や探偵は基本的に専門外
  • サポート詐欺に要注意
  • 市販の調査ソフトを使用しない

不用意に操作しない

サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。

興信所や探偵は基本的に専門外

フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。

市販の調査ソフトを使用しない

市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。

調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。

まとめ

フォレンジック調査における証拠保全は、調査の成否を左右する極めて重要な工程です。誤った操作や知識不足による対応は、証拠の改ざんや消失に直結し、調査そのものの信頼性を損なうリスクがあります。今回紹介したように、オリジナルデータの保護やミラーイメージの取得、ハッシュ値による検証など、適切な手順と専用ツールを用いた保全作業が不可欠です。

また、状況によっては自社での対応が困難な場合も多く、早期に専門業者へ相談することが被害拡大防止の鍵となります。企業の信用を守るためにも、初動での正しい対応と信頼できるパートナー選びが重要です。

フォレンジック調査のプロに相談することで、トラブルの原因解明から法的対処まで一貫した対応が可能になります。デジタル証拠の保全に不安がある場合は、ぜひ専門家の力を借りてください。

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